カテゴリー:信頼性・保全性・安全性・R-Map

セミナー受講レポート

信頼性セミナー基礎コース

セミナー概要
2012年11月27日(火)~30日(金)に東京・日科技連・東高円寺ビルで「信頼性セミナー基礎コース」を開催しました。
本セミナーは、1965年度に創設以来、約15,000名が受講している歴史を誇る伝統あるコースであり、短期間で信頼性技法の基礎が総合的に修得できるセミナーです。また、「信頼性技術者資格認定制度(JCRE)」の「初級信頼性技術者」資格認定試験に対応しているセミナーでもあります。
受講レポート

レポート執筆者:
株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社
雨松孝治様

1.参加動機

私は、半導体製品およびストレージ製品に関する品質企画部門に在籍し、社内各部門での品質向上活動を推進する業務に携わっています。日々の業務の中ではなかなか信頼性について体系的に深く学習する機会がなく、このたび日科技連の信頼性セミナー基礎コースが、初心者にもわかりやすく講義いただけるとのことで、いままでの業務を信頼性の目線で見直しながら、深く身につけることを期待し、受講しました。

2.セミナー参加を通して

4日間のセミナーを通し、信頼性に対する考え方、信頼性問題をいかにして解決していくか、を体系的に学ぶことができ、実務で信頼性問題が発生した場面でも、ここで学んだ考え方、手法を活用していけると思いました。何よりセミナーの講師陣の信頼性への熱意が受講生に伝わり、教える側、受ける側が非常に真剣に取り組んだセミナーだったと思います。
このようなセミナーに参加することができ、講師の皆さんに感謝します。

3.セミナー内容の詳細
時間 講義内容 講師・所属(敬称略)
11月27日(火)  9:15~9:30 開催挨拶・事務連絡
 9:30~11:30 I.信頼性通論 山崎 謙介 日本科学技術連盟 嘱託
(元 日立製作所(株))
12:30~15:30 III.故障の確率モデル 長塚 豪己  首都大学東京 助教
15:40~18:10 IV.信頼性設計 山  悟 富士ゼロックス(株)
11月28日(水) 9:30~12:30 V.システムの信頼性と保全性 藤本 良一 元 (株)IHI
13:30~17:30 演 習(1)
I.信頼性通論
III.故障の確率モデル
IV.信頼性設計
V.システムの信頼性と保全性
石田  勉
柳澤  修
元 日本アイ・ビー・エム(株)
富士ゼロックス(株)>
11月29日(木) 9:30~12:00
13:00~14:45
VII.信頼性データ解析法 鈴木 和幸& 電気通信大学大学院 教授
15:00~18:30 VI.信頼性試験と故障物理 近藤 典行 日産自動車(株)
11月30日(金) 9:30~12:00 II.信頼性管理 島川 邦幸 富士ゼロックス(株)
13:00~16:30 演 習(2)
II.信頼性管理
VI.信頼性試験と故障物理
VII.信頼性データ解析法
島川 邦幸
長塚 豪己
前掲
首都大学東京 助教>
1日目
<講義:信頼性通論>

信頼性セミナーを学ぶ上での導入として、本講座が入門コースとは違い、信頼性の基礎(土台)をしっかりと築くことを主眼にしたものとの説明がありました。本セミナーは1965年から開講しており、すでに約1万5千人の方が受講されているとのことで、ここで学ばれた諸先輩方が信頼性分野で活躍されていると伺い身が引き締まる思いでした。
信頼性の基本「与えられた条件の下で、与えられた期間、要求機能を遂行できる能力」から、ディペンダビリティは信頼性性能に、保全性性能と保全支援能力を含むこと、などを学びました。また、「素人は努力することを満足し、プロは結果で満足する」、「信頼性は、技術、管理、人づくりの結びつきが必要」、「良い事例をまね、失敗を学習することが信頼性工学には必要」、などの薀蓄(うんちく)ある言葉には、なるほどと思いました。

<講義:故障確率モデル>

故障発生や寿命などの偶発現象を扱うための数理モデルを学習しました。昔、数学で学習した確率が、信頼性分野でどう応用できるかを基本的な事例から学べるというのは新たな発見であり、ポアソン分布からワイブル分布への流れは、ある意味ドラマティックに展開していき、わくわくしながら学習できました。

<講義:信頼性設計>

製品の信頼度目標や要求に対応した設計をどう行うか、を学びました。昨今の品質問題には、従来想定しなかった使用環境条件の発生がふくまれており、顧客の市場に関する理解の重要性が増しています。このようなことから、信頼性をいかに作りこむかの困難度合いが増大してきているとの、講師の実体験からのとてもなまなましい話を聞くことができました。その上で信頼性設計上の手法を学べたので、良かったと思います。

<講義:第2章 要素開発における信頼性の造り込み>

要素開発において着目すべき故障モードと要素開発における具体的な実施事例について、(株)リコーの門田講師より講義いただきました。
開発目標の設定にあたっては類似するデバイスや機能上の競合デバイス、対象商品群での使用デバイスを参考にするとよいとのことであり、弊社においてもこの考え方を展開したいと思いました。
要素開発にあたって特に着目すべき故障タイプは摩耗故障であり、摩耗故障領域を保証することが製品の耐用寿命を保証することになるとのことでした。そのためには摩耗故障モードに関して、故障物理的に考察し保証していくことが必要であることを学びました。
要素開発のステップをリコー様では「概念化開発」、「可能性開発」、「実用化開発」に分け、各ステップでどのようにして信頼性を作り込んでいくのかを紹介いただきました。この話は、弊社の各開発ステップにおいてどこまで信頼性を作り込むべきか考える上で非常に参考になりました。
講義の中で門田講師が「車載市場では1ppmの品質レベルが求められるが、1ppmの品質レベルというのは100万個のうち1個の不良レベルであり、出荷検査で止めることはできない。したがって設計開発者は、これくらいの品質レベルの製品を造れる工程を設計しなければならない。」とお話しされていたことがたいへん印象的でした。

2日目
<講義:システムの信頼性と保全性>

昨日までは、主に個別部品の信頼性についての学習でしたが、今日はシステム全体の信頼性・保全性について学びました。個別部品から成るシステム全体で信頼性をどう考えるのか、信頼性モデルから定量的に信頼性を求める手法が非常に効果的でした。また、修理系システムで使う信頼性モデルは、運用開始後の修理までも含めて、システムの信頼性を考えることができる有用な手法であることを学びました。

<演習【1】>

▲演習指導風景
▲演習指導風景

今までの単元のいくつかの演習問題を解く時間でした。2人の講師により、問題に対しての考え方、どんな手法を用いて、どう解いていくかの解説か、懇切丁寧に行われ、参考書を読んだだけではよく理解できなかった信頼性問題が良く理解できました。演習で出題された問題は、実業務で起こる信頼性問題を取り上げた、すぐ使えるものばかりでした。

3日目
<講義:信頼性データ解析法>

▲鈴木和幸講師 講義風景
▲鈴木和幸講師 講義風景

信頼性に関するデータをいかに効率的に解析していくかを学習しました。理解しやすいように、事例を多く紹介しながら、信頼性の定量化について説明され、特にデータ解析に使われる手法の意味をかみくだいて説明いただいたので、よく理解できました。普段の業務で使う場面の多い、データの取扱い方について学習できたと思います。ワイブル確率紙を活用してデータ解析を行う方法を丁寧に解説いただいたのは良かったです。

<講義:信頼性試験と故障物理>

製品の信頼性を左右する、試験の種類とその各種試験の方法を学習しました。ここで学んだ試験方法は、多くの品質部門で役に立つ内容だと思います。また、故障品の物理解析方法にも触れ、そのメカニズムから故障モードを推定する方法まで、非常に興味深い内容でした。故障メカニズムの具体例として、半導体デバイスの詳細な故障解析までご紹介頂き、半導体関連分野以外の技術者にも、大いに参考になる内容だったと思います。また、自動車メーカからの実務の講師ということで、自動車分野での信頼性試験などにも触れられ、とても興味深い内容でした。

<講義:信頼性管理>

企業活動として信頼性管理をどのようにとらえていくかについて学習しました。昨今発生した企業責任による信頼性・品質問題を取り上げ、それらが企業経営に直結した問題になっていることに言及され、そのための信頼性管理は企業活動を支えるものであると理解しました。特に、安全性問題・環境問題等へのリスクマネジメントの重要性を学びました。

<演習【2】>

最終日の午後も2日目午後同様、何問かの演習問題を解き、2人の講師があとで解説をする時間でした。自分で考え、解いてみるというのが理解への良い方法だそうですが、自分で解いている間、先生らが受講生の間を回って見てくれ、ヒントを与えるというスタイルが良いようです。解説も丁寧にしていただき、とても良く理解できました。
最終日の演習終了後、17:00から「初級信頼性技術者」資格認定試験が開催され、セミナーの参加者ならびに試験のみの方が、受験しました。

お問い合わせ先
教育推進部 第一課 TEL:03-5378-1213 FAX:03-5378-9842
E-Mail:tqmsemi@juse.or.jp

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