カテゴリー:信頼性・保全性・安全性・R-Map

セミナー受講レポート

信頼性技法実践講座「信頼性試験」

セミナー概要
2012年11月13日(火)~15日(木)に東京・日科技連・東高円寺ビルで「信頼性技法実践講座「信頼性試験」」を開催しました。本セミナーは、1983年に創設以来、約30年の歴史を誇る伝統あるコースであり、試験計画を効果的に作成、実施し、結果の解析法を学ぶとともに、先進企業の実践事例を聴くことができる講座です。
受講レポート

レポート執筆者:
ヤマハ株式会社 エレクトロニクス事業本部 生産・調達企画部
品川 龍吉様

主な担当業務
・部品の信頼性試験技術スタッフ、および、部品選定の実験計画への参画
・新規部品の信頼性試験内容の検討、制定
・信頼性技術構築のロードマップ作成

1.参加動機

私は信頼性技術の業務を担当しており、その理解を深めるとともに、他社の事例を聞くことで現状や課題、重要なことを得ようと思い参加いたしました。
普段から信頼性試験などでサンプル数や試験時間、全社への情報発信と収集を行っているものの課題が大きく適切な施策にたどりつけない状況でした。
そこでこのセミナーを通じて信頼性試験の目的および効果、他社の事例を聞くことで自社の取組みに活かしたいと考えました。

2.セミナー参加を通して

私自身、信頼性技術者の資格を持っておりますが、このセミナーで学んだことは多くあるように思います。
演習では、プロット用紙を用い基礎の再確認を行いました。
普段はPCで行なうが、根本の原則を見直して理解が深まるとともに、グラフ結果などは自分の目で判断が必要と感じました。
他社事例では先進的な取組みに刺激を受け、自社でも取り組もうと意欲がわきました。 また、市場の動向や起きている問題、開発リードタイム短縮の中で信頼性設計の必要性など、我々が置かれている状況にも説明をいただきました。
いろいろな業種の信頼性技術事例を聞く中で、自社ではどこまでやるべきか?自社の信頼性のあるべき姿と基準を自分自身ふりかえって考えることができました。
信頼性はお客様が決めることであり、部品の信頼性試験などが最終製品にどのような影響を及ぼすかを理解して試験内容や基準を決めることの重要性を感じました。

3.セミナー内容の詳細
時間 講義内容 講師・所属(敬称略)
11月13日(火) 9:20~9:30> 事務連絡
 9:30~12:15 序論 石田  勉 元 日本アイ・ビー・エム(株)
13:00~16:15 信頼性試験の考え方・進め方、演習(計画と解析) 山   悟 富士ゼロックス(株)
16:25~18:00 加速試験法 山   悟 上掲
11月14日(水) 9:30~12:30 信頼性試験の課題と対応  藤本 直伸 三菱電機(株)
13:15~15:30 信頼性試験演習 石田  勉  上掲
15:40~17:30 信頼性試験事例
ソルダージョイント
今原 和光  京セラ(株)
11月15日(木) 9:15~10:55 信頼性試験事例
電子部品・材料
平本  抽 ソニー(株)
11:05~12:45 信頼性試験事例
半導体デバイス
二川  清 金沢工業大学
13:30~15:10 信頼性試験事例
自動車部品の信頼性試験法
佐藤 廣幸  アイシン精機(株)
15:20~17:00 信頼性試験事例
複写機・プリンター
原田 文明  富士ゼロックスアドバンストテクノロジー(株)
1日目
<講義:序論>
  • 信頼性の基本的な考え方や手法類を全般的に復習しました。
  • 私自身は信頼性技術者の資格を取得していますが、通常の業務では、ルーチン化されたりPCでの計算で済ませているところが多く、基本を学ぶことでその意味を再認識させられました。
<講義:信頼性の考え方・進め方、演習(計画と解析)>

▲山悟講師 講義風景
▲山悟講師 講義風景

  • ワイブル分布をプロット紙に記入し、基本的な内容を再認識できました。
  • ワイブル分布紙を使うこと自体が久しぶりであり、初めてならったときより、多くの活用方法や目的、意味を把握できたように思います。
<講義:加速試験法>
  • 信頼性試験を短期間で行なう場合は、故障解析的なアプローチで弱点を読み取ることが有効である。言い換えるとその部品、製造工程の弱点をある程度把握していなければ難しい。
  • 有限要素法で半田の応力をシミュレーションし、クラック発生を予測できる。
  • SEMでICを観察・・・樹脂注入によりワイヤーの流れを観察できる→生産技術能力が低い可能性がある。
2日目
<講義:信頼性試験の課題と対応>

▲藤本直伸講師 講義風景
▲藤本直伸講師 講義風景

講義のなかで以下のお話を聞かせていただきました。

  • 品質はある1点での状態(バラツキ)だが、信頼性では時間軸を含めて考えている。
  • 工程把握は、良品・故障解析にも役立つ=工程と逆のことを行っている。
  • 信頼性だとコストがかかりすぎる。やりすぎは良くない。データベースに蓄積を積み重ねノウハウ共有することが有効。
  • 昨今の問題から新しい不良は出ていない。どうやってそれを阻止するかが課題。
  • 市場クレームの再現には複合ストレスが必須。単一ストレスでは再現しない場合が多い。
  • 製品の使い方を考慮した信頼性設計が求められている。
  • 電気部品の故障モードには湿度に起因するものが多く、再現も難しい。
  • 良品解析には、そのメーカーの弱点を押えておく必要がある。不明な場合は的を外してしまう可能性あり。
  • 信頼性試験などは狙い(弱点)を外すことがある。それを認識しておくこと。
  • 変更点がある場合は徹底的に検証することが必要。
  • 故障解析ではどんなときに、どんなことをやったら壊れたかを徹底的に把握すべき(多くは電源ON時に壊れている)
  • 工程を把握していると以下のメリットがある
    (1)障解析は製造プロセスの逆を行なうことであり、工程把握してあるとやりやすい。
    (2)プロセス管理力が分かる。問題の多くがヒューマンエラーである。
  • 現在の部品では基板実装を含めた評価が必要だと思いました。
  • 実験室でのデータはある前提のもとに得たもので、実際には工程や製品搭載後の影響が大きいと教えていただきました。
<演習:信頼性試験演習>
  • メジアンランクからアレニウスプロット、B10ライフの算出への展開、マイナー則など加速試験的な内容で分かりやすく説明していただきました。
  • 信頼性水準の設定や点推定、区間推定および信頼性技術の用語の説明など基本的な内容を復習することができました。
<信頼性試験事例:ソルダージョイント>
  • 他社での先進的な取組みに驚きました。
  • 既存のコヒンマンソン式から修正版を理論的に定義し、それを適応および評価されており、技術を発展させることに自分自身取り組みたいと思いました。
  • 原理・原則から実験、市場データの相関まで行なっており、これが信頼性技術開発だと感じました。
  • 信頼性試験の計画では、(1)評価特性、(2)判定基準、(3)試験サンプルの検討、(4)確認の頻度、(5)試験条件の検討が重要だと説明いただきました。普段は何気なく行なっていることですが、その重要性を再認識させていただきました。
3日目
<信頼性試験事例:電子部品・材料>
  • 主に材料系の不良解析の説明をおこなっていただきました。ある事例では確立するまでに3年かかったとのことなので、そのくらい腰をすえて行なうことが必要だと実感できました。
  • 硫化に関して、自身の知らなかった内容を教えていただき、 自社でも取り組んでいこうと思いました。
  • 材料選定では、選定は機械設計者が行なうのに対し、それからくるストレスを受けるのは電気部品であることから、設計トータルでの信頼性確保が必要だと感じました。
<信頼性試験事例:半導体デバイス>
  • 半導体の事例について紹介いただきました。
  • 私自身は半導体専門ではないので、内容は自社で復習しようと思いますが、グラフは目の子で推定するのが一番精度良いとの話があり興味深かったです。
  • 寿命データ解析の手順を丁寧に教えてもらえました。今後の自身の業務で解析を行う場合に参考にしたいと思いました。
  • 統計手法はよく活用しますが、新たな視点で取り組めると感じました。
<信頼性試験事例:自動車部品の信頼性試験法>
  • FMEA、DRBFM、QFDなどさまざまな信頼性手法を用いられておりました。
  • ただし、新しいことに取り組むことは工数がかかるので、不要な取組みは止めたり、帳票などで標準化されていると教えていただきました。
  • さらに新規要素や変更点を確実に捉えるために設計者に考えさせる工夫もされているそうで、自社の取組みの参考になると感じました。
  • また先進技術とはいうものの展開すると確立された技術の組み合わせが多く、技術ばらしの必要性を教えていただきました。
  • FMEAの目的は故障の影響度解析であり、DRBFMの目的は図面品質向上であると教えていただきました。
  • 自身の技術力を把握するためには、簡単な図面を記入してみることが良いと教わりました。
  • Qualityとは品質の工程ではなく、目的に合わせて適確か否かを考えるべきものであり、この目的とは顧客が評価することだと、説明をうけました。このことから最終顧客に製品が届き使用する間にどんな信頼性が必要かを再度考えさせられる機会を頂きました。
<信頼性試験事例:複写機・プリンター>
  • 現状の開発リードタイムだと部品の信頼性から作りこまないと納期達成不可能であり、いかに開発上流段階での取組みが重要かを指導いただきました。
  • 品質基準はお客様が決めるであり、常に変動することを意識することが重要で、徹底的な市場の使われ方調査が必要だと思いました。
  • 信頼性試験の目的は改善する情報を得る手段であり、試験することが目的と捉えると発展しないといわれたことが強く印象に残りました。
  • 各種信頼性試験法の、開発ステージ毎の用い方を聞かせていただき、商品開発全体で信頼性を構築することの重要性を確認しました。
  • どんなデータをどの開発ステージで抽出するかが、その後の設計の信頼性に大きく影響を及ぼすことを痛感いたしました。

▲事例講義風景
▲事例講義風景

▲事例講義風景
▲事例講義風景

お問い合わせ先
教育推進部 第一課 TEL:03-5378-1213 FAX:03-5378-9842
E-Mail:tqmsemi@juse.or.jp

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