
「検定と推定 -SQCの基本ツールを押さえよう-」<2016年08月23日>

普段何となくツールにあるからとか、上司に言われたからなどの理由で検定し、検定結果に対して一喜一憂していませんか?また、検定をした後には推定もする必要があります。現場ではこの推定をした上で判断することが重要です。
SQCの基本ツールと言えるこの「検定と推定」について、もう一度振り返ってみましょう。
■検定について
「検定」とは統計的仮説検定のことで仮説を立てて、統計的にその仮説が正しいかどうか判定することです。
まず、帰無仮説と対立仮説を設定します。帰無仮説とは差がないという仮説を設定し、主張したい方を対立仮説に設定します。ただし、仮説検定では差がないということを主張できません。そのためには適切なサンプルサイズを設計し検定する必要があります。この件についてはいずれかの回に委ねましょう。
次に、有意水準を設定します。多くの仮説検定では5%とすることが多いです。有意水準とは、本当は帰無仮説が正しいのに誤って帰無仮説が正しくないと判断する確率のことです。つまり、5%に設定すると20回に1回は誤って判断してしまうのです。
そして検定統計量を計算し、これをもとに有意かどうか判定します。有意であれば帰無仮説は棄却され、対立仮説が成り立ちます。有意とならない場合は帰無仮説が成り立ちますが、帰無仮説とは文字通り無に帰するわけです。つまり、差がある(対立仮説が成り立つ)とはいえないという結果になるのです。
検定の基礎について振り返りました。誤って理解していませんでしたか?? ツールにあるからといってルーチンで解析して、結果に一喜一憂していると後で痛い目にあうことも少なくありません。
■推定について
データが得られると、そのデータの母集団の分布を知ろうとします。この分布の母数を推定することが統計的推定です。推定には点推定と区間推定があります。点推定とは推定量によって母数を推定することをいい、単純にいうと数を特定の値として推定することです。一方、区間推定とは母数について区間を用いて推定することです。
母平均が50と推定されたとして、その推定値が50±20である場合と50±0.02である場合では、かなり意味が違ってきますよね。この幅は推定値がどの程度信頼できるかを反映しています。
区間推定には信頼率、分散、およびサンプル数を用いて計算します。信頼率には95%が多く用いられます。求めているのは母数の信頼区間であって、データの信頼区間ではありません。信頼区間が信頼率(95%)の確率で母数を含むということを意味しています。
このように検定では有意か否かの情報だけに対し、推定では、ばらつきの情報が加味されるため、意思決定には非常に重要な意味をなしてきます。現場では検定結果で一喜一憂するのではなく、推定結果もふまえた上で意思決定してください。

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隄 雄亮 氏
(つつみ ゆうすけ)
2006年 田辺製薬株式会社
(現 田辺三菱製薬株式会社)
入社後、医薬品開発データの解析に携わり在職中、2012年に 博士(工学)取得。
現在、㈱三菱ケミカルホールディングス 経営戦略部門 経営企画室 マネジャー

