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熱気あふれる会場風景

―合言葉は実践!実践を意識した研究成果の発表が行われる!―

2016年3月11日(金)に日本科学技術連盟・東高円寺ビルにおいて、2015年度(第11年度)R-Map実践研究会」の成果発表会が開催されました。
この成果発表会は2015年5月29日から計8回の研究会を通じて研究してきた成果を、研究会参加者だけでなく広く一般にも発表し、製品安全リスクアセスメントの最新手法・最新動向を共有するものです。
本年の研究参加者は、製品安全に対する日々の活動に真摯に向き合う中で、独自の研究テーマを考え、様々な業種、企業間を越えた研究活動により、研究のための研究ではなく、研究成果を実践に活かすという強い意気込みで研究活動を推進し、今回の研究成果発表に望んでいます。

★R-Mapを広く普及させる一環
一昨年、研究会10年の成果をまとめた書籍(世界に通用するリスクアセスメントシリーズ 4巻)を発刊し、さらなるR-Mapの普及、進化を見据えた研究活動の幕開けの年となる中、会場には研究生以外の多くの一般参加者に加え、昨年同様、研究生の上司の方を招待し、満員の熱気ある雰囲気の中、設定された4研究分科会の成果発表が行われました。(各研究分科会については後述)

次年度の本研究会の研究員募集要綱は、こちら

R-Map書籍(世界に通用するリスクアセスメントシリーズ 4巻)の詳細情報は、こちら

1. R-Mapとは

縦軸に「発生頻度」横軸に「危害の程度」のマトリクス表に事象をプロットすることによりリスクの大きさを可視化する手法です。このR-Map手法は日本科学技術連盟で提案したオリジナル手法です。
詳細内容は、こちらから

2. R-Map実践研究会とは

R-Map実践研究会は多様な事業者の多様な部門の担当者が一堂に集まり、各研究分科会で設定する研究テーマにしたがって各自の研究目標を設定し、期間内に研究を行い発表するものです。この研究会の特徴は、異業種交流が可能で多くの情報交換ができることや、人脈形成ができることがあげられます。大きなテーマに分かれた4つの研究分科会が設定され各自の目標に対し、R-Mapを活用して研究します。
  第1研究分科会:「R-Mapによる開発段階からの安全構造設計
  第2研究分科会:「R-MapによるAcceptable Levelと社会心理
  第3研究分科会:「R-Mapによる事故事例解析・研究
  第4研究分科会:「R-Mapによる『商品流通と消費者安全確保』についての研究

3. 2015年度(第11年度)R-Map実践研究会成果発表会のスケジュール

2015年度(第11年度)R-Map実践研究会成果発表会は下記のプログラムで進められました。

時間 講義内容、講師
9:50-9:55

事務連絡

9:55-10:00

経済産業省 商務情報政策局 商務流通保安グループ
製品安全課長 川原 誠様

10:00-10:30

特別講義「ヒヤリ・ハット情報とリスク分析」
松本 浩二 統括主査

10:30-12:20

第1研究分科会
「R-Mapによる開発段階からの安全構造設計」

12:20-13:10

昼食・休憩

13:10-14:10

第2研究分科会
「R-MapによるAcceptable Levelと社会心理」

14:10-14:20

休憩

14:20-15:30

第3研究分科会
「R-Mapによる事故事例解析・研究」

15:30-15:40

休憩

15:40-16:50

第4研究分科会
「R-Mapによる商品流通と消費者安全確保についての研究」

16:50-17:00

総合講評・修了式

17:00-17:05

修了挨拶

17:10-18:10

情報交流会(3階A室)

 

4. 来賓ご挨拶

経済産業省 川原誠氏

一昨年出版したR-Mapとリスクアセスメント書籍に推薦文を寄稿頂きました、経済産業省商務情報政策局 商務流通保安グループ 製品安全課長 川原 誠様より、来賓のご挨拶がありました。
ご挨拶の概要は、次のとおり。

冒頭、参加者に対し製品安全の日ごろの尽力に対し、敬意を表され、実践に即した研究に対する感銘と、各種規制の性能規定化に伴い、企業自らが安全を考え製品を開発していく中、リスクアセスメント、R-Mapは企業の技術開発に役立ち、開発力を強くする事に繋がることになるとのお言葉と、今後の広がりに対する期待を述べられました。
続いて、経済産業省の取り組みについてもお話いただきました。

①重大事故は報告義務があるが、事故予兆、ヒヤリ・ハット、修理情報、についても
 未然防止の観点から、有効利用する必要がある。

②リコール製品の回収率向上施策。

③お年寄りほど重篤事故比率が高くなる、安全な高齢化社会を目指して行く。

5. 特別講義

本研究会統括主査 松本浩二氏

テーマ「ヒヤリ・ハット情報とリスク分析」

本実践研究会統括主査 松本浩二氏(PSコンサルタント)から特別講義が行われました。
講義のポイントは以下のとおり。

  1. 東京都のシニアを対象にした障害事故調査では、ヒヤリ・ハット経験は、上位の製品で年間10e-2~10e-3で、R-Mapの枠を外れた所にある。(100~1000年に1度の経験に相当)
    ※会場アンケートでは、約100人中13人が今までに上位の製品で通院レベルの傷害経験があると回答。
  2. 発煙発火のヒヤリ・ハット経験は10e-3、 1000年に1回体験するヒヤリ・ハットを注意喚起で防ぐのは困難であり、製品側で安全施策アプローチが必要である。
  3. ハインリッヒの法則1:29:300が有名。しかし、ガスこんろ、石油ストーブ、電気ストーブなどの発煙・火災事故が多い製品では、1:29(発煙・発火)でなく、1(火災):数百(発煙・発火)になっている、電子レンジではさらに1桁さがり、1:数千のオーダになる、80年以上前の労災データを基にしたハインリッヒの法則だけでなく、製品により人の介在や回避等でヒヤリ・ハット比率は変わるので、現場の実態把握が重要。
  4. 過去の調査で、身の回りの製品の取扱い説明書等による警告表示は2000件以上あり、多すぎて事故防止効果は期待できない。3ステップメソッドに則った、本質安全対策、安全・防護対策を優先して実施し、注意・警告はそれでもリスクが低減しきれない場合のリスクコミュニケーションとして実施する。
  5. ガスこんろの天ぷら油火災に対する改正技術基準を経産省が発表した際に、過去のガス風呂釜空焚き防止装置の経験から、対策後の事故はピーク時の1/10になると予想した。最新の東京消防庁のデータを解析すると、事故防止効果が実際に1/10になっていることが確認された。逆に言うと、1/10しか減らない、過熱防止装置が働かないシチュエーションがあることが数値的に把握された。高齢化社会に向け、誤使用を加味し、もっとやさしい製品作りが必要。
  6. ガスこんろの、早切れ防止機能、過熱防止機能と多重の機能があっても、温度検知に共通問題があれば多重の効果は低い、人感センサーの様な独立性を持った施策が問われる。
  7. コンデンサや抵抗の発煙・発火事例から、火災メカニズムを解析し、ヒヤリ・ハットの発生原因をいくら分析しても火災事故の防止は困難であり、危害拡大のメカニズムから考える必要がある。

    以上、ヒヤリ・ハットの情報分析、各種事例から「重大事故発生割合の考え方」「本質安全の必要性と安全施策の織り込み方」「原因分析方法」について解説されました。
    市場事故情報を蓄積、活用している企業においては、情報の有効活用という点で大変有効な講義であったと思います。

 

6. 各研究分科会の発表

続けて4つの研究分科会の成果発表が行われました。発表は第1研究分科会から始まり、順に4つの研究分科会全てが発表しました。以下が発表の要旨です。

1) 第1研究分科会の発表

第1研究分科会テーマ「R-Mapによる研究段階からの安全構造設計」
第1研究分科会では、事故の未然防止に軸足をおいて活動し、事故の未然防止にR-Mapをいかに活用するか日々研究している。いずれも、設計段階でのリスクアセスメントを実施する上で直面する共通問題、チャレンジングな課題をテーマに研究をおこなっています。

第1研究分科会発表風景

Aグループ:「RAばらつき低減ガイドライン作成」~SWの評価バラツキ抑制の研究~​
発生頻度、低減効果の分析バラツキ発生の悩み抑制に向けて、過去2年にわたり、研究を続けてきました。
今年度はソフトウェアの評価バラツキ抑制をテーマに、ソフトウェア系故障(バグ)の発生頻度定義とIEC61508と2008年度の研究にて提示された、ソフトウェアセーフティーモジュールエレメントを照らし合わせ、保護方策の低減レベルの妥当性検証について報告されました。
モノのインターネットと言われるIoT機器に代表されるような、ハードウェアとソフトフトウェアを絡み合わせ、製品やサービスが実現されて行く「モノ」がますます増えて行く中で、ソフトウェアの安全をどの様に考え、担保していくのかが課題になることは避けて通れません。
本研究成果はこれらの課題に正面から向き合い、一つの指針を示せたことは非常に有意義な研究成果であるといえます。

Bグループ「設計変更におけるリスク要因の抽出と評価
“意識識していなかった、認識出来なかった変化点で事故が起きる”このような設計変更時のリスクについていかに防ぐのかをテーマに昨年、キーワードや変化点から作成する「気付きシート」の活用が提案されました。今年はその「気付きシート」に対し、「より変化を思い付きやすく」「運用負荷が増えない」等の課題の達成を目的に改善を図りました。
今回の研究成果により、一見関係なさそうな障害事例から共通する影響を抽出し易くなるなど、より変化点に気づける施策が盛り込まれました。
これにより、従来各社で使用していた変更点管理表とペアして使用することで、「過去事例や一般事例を入れる事で見逃し率を下げる」「設計者以外のレビューにも使え、色々な人の目線が入る」ことが出来るようになり、危害シナリオの抽出漏れ防止が期待でます。
今後、各社での実践、経験値を増やし、より一層の最適化に期待が持てます。

Cグループ「IEC61508-1とリスクアセスメントとの融合
製品安全に対する取り組みは、各社実施しているが、「安全規格の取得」「リスクアセスメント実施」をそれぞれ実施している企業が多い。
リスクアセスメント実施により「規格に準拠できている」という姿をイメージし、IEC62368-1の要求事項が包含できるリスクアセスメントの研究が行われました。
今回の研究成果は、活用プロセスが明確で手順がわかりやすくまとまられており、今後、本研究によるリスクアセスメント手法が規格要求のエビデンスとなれば、業務の輻輳防止と危害シナリオの漏れ防止が期待できます。
今後の研究により、規格の全要求に対するシナリオの抽出事例の提示が待たれるところです。

Dグループ「危害シナリオ作成支援ツールの研究」
リスクファインディングは網羅的に出来ているのか?ハザードマトリックス表を使いこなせているのか?、という各社共通の悩みに対し、実施者の技量に左右されず、システマティックにリスクファインディングが実施できる事を目的に、ハザードの特定からハザードに潜む危険シナリオを抽出する支援ツールの作成に向けた取り組みについて報告されました。
今回提案された、支援ツールはハザードマトリックス表から危害シナリオを抽出する際に、過去に発生した事例(NITE事例等)を、キーワードにより網羅的に危害シナリオとして抽出できる仕組みとなっています。
経験値の少ないレビューアに対する補完ツールとしても有用であり、今後、各社における、事例や経験値をフィードバックして行く事により、さらなる網羅性向上が期待できます。

2) 第2研究分科会の発表

第2研究分科会テーマ「R-MapによるAcceptable Levelと社会心理」

第2研究分科会ではリスクアセスメントにおけるバイアスについての研究に取り組んでいます。
B領域でリコールしているものは、何かバイアスがかかっているとの想定に立ち、ブレの無い判断をし、社会の反応に後手を踏まずに済むこと、設計段階でも扱えることを目的とした研究を進めています。今年はリスクの見積もり、リスクの評価に対する研究を中心に活動されました。

第2研究分科会発表風景

テーマ1「誤使用リスク発生頻度ツールの改善
昨年までの研究においては、発生頻度推定ツールによりバラツキを抑え、精度を高める研究が進められてきました。
今年は、考え方の整理と実際に使ってみることを目的にツールを実際に試行し、他の発生頻度解説ツールや、ETAとの比較などにより、発生頻度推定ツールの弱み、強みを明確にし、リスクアナリシスの見える化などの改善について発表されました。
実践践研究会の実践を意識したときに、今まで提案してきたツールや考え方が実際の活用シーンで有効に機能するか振り返りを行う事は、実践にむけた改善を加える上で必須であります。
本研究はそのような意味で、ツール有用性の位置を明確にし、ベンチマークにより補完すべき部分を洗い出せたことは、実践に耐えるツール提供に向け大変有用な研究と思われます。

テーマ2「管理施設におけるリスクマトリックスの検討
一般市民、不特定多数の市民が利用する施設管理に適したリスクマトリックスを作成する事を目的に、学校で起きた事故事例を研究者使用のマトリックスとR-Mapを比較検証した結果について報告されました。
一般市民、不特定多数の市民が利用する施設での事故は社会的な観点からも大きな課題であり、安全を確保するための取り組みは必須であります。
そのためのリスクマトリックスを妥当性のある研究により提示出来た事は大変有意義であります。
組み体操の事例での検証も提示された様に、今後も分析事例を増やし、リスクマップの精度向上が望まれます。

テーマ3「ETAを用いたリスク評価による拡張R-Mapの提案」
リスクバイアスごとにリスク領域が変動しているのではないかとの仮定に基づき、ばらつきのないリスクバイアス評価手法として拡張R-Mapを用いた手法が昨年提案されました。
本年度は、さらに消費者や企業の心理的なバイアスがどの様に加味されてリコール判断されているのか、またETA分析により拡大被害予測も加味したリスク評価の研究成果が報告されました。
今回の研究成果によりB領域判定の特定事案(磨耗、失明、労災)では拡張R-Mapを用いたリコール判断の必要性が示されました。今後の類似事例研究により更なる妥当性が示されれば、社会の反応に後手を踏まずに済むリコール判断の精度向上に役立つものと思われます。

3)第3研究分科会の発表

第3研究分科会テーマ「R-Mapによる事故事例解析・研究」

第3研究分科会は、主に、身の回りのヒヤリ・ハット、市場で発生した事例のエビデンスを用いて分析し、開発段階でのリスクアセスメントに繋げることを主眼に研究されています。

第3研究分科会発表風景

テーマ1「事故情報における「頻度ワード」の傾向分析とその活用法」
事故情報のデータベースから有用な事故情報を抽出する際に、「電池」「バッテリー」の様に、同じ物であるにも関わらず使用されるワードがバラバラで、検索ワードの想定が困難な面があります、そこで、どの様なワードが使用されているのか、「頻度ワード」として傾向や特徴が無いか把握するために、48,200件にも上る事故情報データから分析した研究成果が報告されました。
「頻度ワード」という切り口からリスクファインディングの気付きに繋げることが期待できます。
今後、実際にリスクファインディング済みの製品に対し「頻度ワード」として上げられたもので、危害シナリオとして抽出出来ていなかったものがどの程度あるのか比較分析することにより、実践活用としての有用性が提示出来きるのではないかとの感触を持ちました。

テーマ2「ドア商品の事故のR-Map(住宅用建材商品の傾向、特性を踏まえた事故分析)」
窓・ドア・フェンスなど、住宅用建材の傾向特性を踏まえた事故情報からR-Map分析評価を実施し、整理した研究結果が報告されました。
ドアによる指挟み事故の分析結果では、安全施策レベル別に4タイプのドアについて、事故の発生しやすいタイプの製品仕様が確認されました。
今回の研究により、ドアによる指挟み事故に対する安全施策の知見から、他の指挟みリスクのある製品に対する安全配慮の考え方に応用でる事が示されました。

テーマ3「コンポーネント毎の誤使用シナリオを活用した効率的なリスクファインディング手法の研究」
誤使用に関する危害シナリオを想定する手法として「エラー事象」「ガイドワード」を昨年の研究で抽出しました。
今年は経験の浅い技術者でも効果的に誤使用シナリオを抽出することが出来、新規開発製品に取り込まれる事を目的とした「誤使用シナリオ集」作成に挑戦した成果について報告されました。
今回の研究では、実際に若手の設計者を対象に「誤使用シナリオ集」の効果測定を実施し有用性が示されています、まさに実践した結果の研究成果報告でありました。

テーマ4「製品特性マッチング手法によるリスクファインディングの研究」
繰り返される製品事故、未知の事故でなく、過去の事故情報から学ぶという考え方に基づき、どうすればリスクアセスメントに役立つ事故情報が得られるのか?この悩みに対し、活用し難い他分野、他業種の事故事例を、使用形態や使用者、使用環境により事故情報を分類し、マッチングさせ開発製品のリスクアセスメントに活用する手法が報告されました。
例えば、「回転部」と言うキーワードに対して、色々な業種、分野で使われている回転部に関する事故情報を活用できれば、リスクファインディングを効果的に実施できます。
この様に、製品特性マッチング手法は、他業種、他分野で発生している事故情報を有効に活用することが出来、繰り返される事故の防止が図れます。

 

4)第4研究分科会の発表

第4研究分科会テーマ「R-Mapによる商品流通と消費者安全確保についての研究」

第4研究分科会は今年で5年目の活動となります。流通・販売事業者と消費者が安全な製品を選べる仕組みづくりに主眼をおいて研究が進められています。

第4研究分科会発表風景

テーマ1「消費者目線での取扱説明者書の提案」
ライフスタイルの多様化(核家族、単身赴任、女性の社会進出)に伴い、取扱い説明書による安全の情報発信はより一層、消費者目線に立つことが重要となってきています。本研究ではどうすれば消費者目線に立った情報発信ができるのかをR-Mapを活用し検討されています。
どの部分をフォーカスすれば良いのかをR-Mapで炙り出すことにより、残留リスクのレベル分けを行い、残留リスクの大きい物についてはより目立つ表記をするなど、レベルに合わせて取扱い説明書の情報発信方法を変える事を提案。
大切な情報が埋もれてしまう問題の防止が図れます。
自社の取扱い説明書の記載方法や情報発信方法を見直す上で、本研究成果を織り込む事は大変有用です。

テーマ2「流通事業者リスクアセスメント(RA)実施が必要な商品を見極める方法の提案」
14年7月に流通事業者に対するリスクアセスメント実施のガイドが発行されました。実際に流通事業者がリスクアセスメントを実施するには、実施すべき製品の見極め、実施コスト等まだまだハードルが高い面があります。
本研究では、流通事業の最初の壁になっている、大量に扱う製品の中から、リスクが高い製品をどの様に見極めれば良いか?の問いに答えるものであります。
今回、「短時間で」「専門知識がない人が」「商品を分解しなくても」実施できるチェックツールが提示されました、外観チェックのみでリスク判断出来る事は流通事業者のリスクアセスメントに対する最初のハードルを下げる事に寄与できます。
今後、キッチン用品に対するチェックツール提示でしたが、他の製品群についても同じ様なチェックツールの提示が待たれる所です。

テーマ3「試験前後の商品リスクを評価したR-Map入り試験報告書の検討」
事前検査にR-Mapを組み込むことは流通事業者へR-Mapを広く普及し、リスクアセスメントの支援ができます。
昨年までは試験不合格部分にR-Map適用することで、流通事業者に対しリスクの見える化が出来る研究報告がされました。但し、試験の不合格部分自体が少なくR-Mapによるリスクの見える化の提供効果が薄いという問題に対し、本年度の研究では全ての試験報告書にR-Mapを入れる提案がなされました。
これにより、C領域になるためのより良い試験提案も出来ることになり、流通事業者が安全な製品を選択して販売出来ることに寄与することができます。
流通事業者が積極的にR-Mapによる製品選択が出来きれば、そこから広がりが生まれ、危険な製品が市場から淘汰される流れが期待できます。

テーマ4「消費者のためのR-Map(販売前、販売後の残留リスク情報提供)」
現状、消費者は購入しようとする製品が安全なのか、そうでないのか、リスクはどれくらいあるのか判断出来る環境に乏しい現実があります。
「製造事業者」「流通事業者」「消費者」が共通言語としてR-Mapが使えればそれらの問題は解消できるとの考えに基づき、販売前の製品リスク説明と販売後の情報提供(VOCのフィードバック)に着目して研究することで、流通事業者の目指す姿が描き出されました。
消費者が購入前にリスクを理解出来る仕組みが定着できれば、危険な製品は淘汰されていきます。
仕組みの実現には幾多の壁が予想されますが、更なる研究により、壁を乗り越える施策の提示が期待されます。

7. 総合講評・修了式

R-Map実践技術者認定書授与

松本統括主査より、本日の研究成果について次の様に総評されました。

今年は色々な研究テーマが出てきました、実践で使えることができる物の紹介もありました。
時間が短く理解いただけない部分があったと思いますが、興味がある方は研究会に参加いただき理解を深めていただければと思います。
ビックリするテーマもあったかたと思います、でぜひ皆さんと進めて行ければと思います。

●ブラザー工業株式会社川田恵寛様に、松本統括主査よりR-Map実践技術者認定書の授与が行われました。

R-Map実践技術者認定の詳細はこちら

8.最後に

研究分科会討論風景

今年度は、各分科会からの色々な切り口で、誤使用を含めた危害シナリオの抽出精度をいかに向上させるのか、についての研究成果が多く発表された印象がありあます。
裏を返せば、想定外の事故で困っている企業が多く、共通の悩みとなっているのではないかと思われます。
その様な意味で、実務に直結したチャレンジングなテーマを研究されたチームが殆どであり、今回の研究成果で十分応用出来るもの、新たな手法確立の取り組み、精度向上を初めとしたブラッシュアップ等、今後の成果に非常に期待が持てる内容も多くありました。
最後にご挨拶頂いた、日科技連 矢口課長様からのお言葉にもあったと通り、「合言葉は実践!」に向けて、次年度研究会も、2016年5月27日より、スタートする予定です。
現在次年度の研究員を募集しております。
各社の製品安全に関わる方々の人脈構築と情報交流の貴重な機会も得られます。
ぜひご参加ください、ご参加お待ちしております。

本研究会の詳細内容は、こちらから

 

(まとめ:第1分科会 副主査 福川 治)

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