受賞組織

品質革新賞 28件受賞

年度 受 賞 企 業 名
2022 パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社 インフォテインメントシステムズ事業部IVIシステムズビジネスユニット
及びパナソニックITS株式会社

テーマ:QM7つの規律・ES4つの視点を活用した、大規模ソフトウェア開発における人中心の品質マネジメント革新
2021 大和リース株式会社 生産・デポ推進部 デポ及び工場
テーマ:ビジネスパートナー(場内協力会社)とともに進める「仕事の質改善」
2020 株式会社IHIエスキューブ
テーマ:QV(Quality Value)活動の推進によるScube Value好循環サイクルの実現​
2018 丸善石油化学株式会社 機能化学品部/研究所(機能性樹脂関連部署)
テーマ:
ポジティブアプローチを基本とする品質マインド醸成のための品質小集団活動のシステム化

株式会社眞栄

株式会社眞栄は、企業の環境に対する社会的責任の取り組みから、緑化事業を生業に自動車部品製造業である小島プレス工業株式会社を中心とする小島グループの一員として1976年に設立しました。初めて手がけた仕事は、グループの経営理念である社是「和」のもと、自然を大切にしながら「家族の和」、「会社の和」、「地域の和」に繋がる福利厚生施設の開発でした。開発に携わりたい社員をグループ会社より募り、自分達の手で造成をはじめとした開発を行い、自前による施設を作り上げました。今では新入社員の研修や季節毎に行われる行事を通じて利用される社員の方々の勤労意欲の向上(モラールアップ)を目指して日々変化のある管理を行っています。以来「自分達の事は自分達でやり切る」という考え方から建築営繕や外構工事、緑地の管理をメインに建設業として事業活動を進めていく中、2004年より山林事業が本格的にスタートしました。「山づくりは物づくり」の考えのもと、自動車産業からみた生産性や品質・顧客満足度を各工程や製品に落とし込み、川上から川下まで(山林整備・製材・乾燥・加工・塗装・販売)の仕事を自分達の手で一貫して行う事で、無駄を無くし自産自消を目指し実践しています。天候に左右されやすい山林整備は一人ひとりが多能工により仕事の平準化をすすめています。林業従事者がCADで図面を書き、大工になり建具屋、塗装屋になり販売員になり様々な技術や技能を日々学んで行く事は大変な事ですが、今回「日本品質奨励賞 品質革新賞」の受賞はテーマに取り組む社員一人ひとりの誇りと励みとなりました。今後も皆で切磋琢磨し持続可能な山林事業を進めることで地域に根ざした企業として取り組んで参ります。

所在地:愛知県豊田市

受賞理由
テーマ:和に基づく川上から川下への山林事業の展開

(株)眞栄は、資本金8千万円、従業員45名、建築・営繕と造園・土木の設計施工、山林・緑地の管理、木製品提供を業務とし、320haの山林を管理している。
構造不況下の山林事業に対し、次の組織的な取り組みで活路を拓き成果を上げた。
1)川上から川下への一貫した自産自消による山林事業の革新、2)和に基づく人中心経営による利害関係者の満足度向上、3)山林事業への製造思考の導入、4)TQMによる持続可能な山林経営。これらにより、厳しい経営環境での事業展開に苦慮する日本の第一次産業の在り方を展望し、TQMを活用した優れたビジネスモデルを提示した。

2017 株式会社眞栄
テーマ:
和に基づく川上から川下への山林事業の展開

株式会社眞栄

株式会社眞栄は、企業の環境に対する社会的責任の取り組みから、緑化事業を生業に自動車部品製造業である小島プレス工業株式会社を中心とする小島グループの一員として1976年に設立しました。初めて手がけた仕事は、グループの経営理念である社是「和」のもと、自然を大切にしながら「家族の和」、「会社の和」、「地域の和」に繋がる福利厚生施設の開発でした。開発に携わりたい社員をグループ会社より募り、自分達の手で造成をはじめとした開発を行い、自前による施設を作り上げました。今では新入社員の研修や季節毎に行われる行事を通じて利用される社員の方々の勤労意欲の向上(モラールアップ)を目指して日々変化のある管理を行っています。以来「自分達の事は自分達でやり切る」という考え方から建築営繕や外構工事、緑地の管理をメインに建設業として事業活動を進めていく中、2004年より山林事業が本格的にスタートしました。「山づくりは物づくり」の考えのもと、自動車産業からみた生産性や品質・顧客満足度を各工程や製品に落とし込み、川上から川下まで(山林整備・製材・乾燥・加工・塗装・販売)の仕事を自分達の手で一貫して行う事で、無駄を無くし自産自消を目指し実践しています。天候に左右されやすい山林整備は一人ひとりが多能工により仕事の平準化をすすめています。林業従事者がCADで図面を書き、大工になり建具屋、塗装屋になり販売員になり様々な技術や技能を日々学んで行く事は大変な事ですが、今回「日本品質奨励賞 品質革新賞」の受賞はテーマに取り組む社員一人ひとりの誇りと励みとなりました。今後も皆で切磋琢磨し持続可能な山林事業を進めることで地域に根ざした企業として取り組んで参ります。

所在地:愛知県豊田市

受賞理由
テーマ:和に基づく川上から川下への山林事業の展開

(株)眞栄は、資本金8千万円、従業員45名、建築・営繕と造園・土木の設計施工、山林・緑地の管理、木製品提供を業務とし、320haの山林を管理している。
構造不況下の山林事業に対し、次の組織的な取り組みで活路を拓き成果を上げた。
1)川上から川下への一貫した自産自消による山林事業の革新、2)和に基づく人中心経営による利害関係者の満足度向上、3)山林事業への製造思考の導入、4)TQMによる持続可能な山林経営。これらにより、厳しい経営環境での事業展開に苦慮する日本の第一次産業の在り方を展望し、TQMを活用した優れたビジネスモデルを提示した。

リコーテクノロジーズ株式会社 第二設計本部
テーマ:
PQM(プロジェクト型品質マネジメント)による設計生産性の向上

リコーテクノロジーズ株式会社 第二設計本部

2013年に設立したリコーテクノロジーズ株式会社は、株式会社リコーの設計機能の一部と、当時の生産関連会社3社が持つ設計機能を統合し、複写機/複合機・プリンターとそれらに接続される紙処理周辺機等の開発・設計を行う開発設計専門会社として活動を開始しました。
『新たなイノベーションにチャレンジする自主創造の企業風土のもと、先進の技術と革新的な開発プロセスにより、お客様の仕事と暮らしをより良くするための価値提供をし続ける技術集団』になる事を目指して、お客様価値の創造や増大に貢献するべく、製品開発と業務プロセスの改善に日々取り組んでおります。
受賞部門である第二設計本部は、会社設立と同時に生産関連会社に分散されていた紙処理周辺機プロジェクトの全てをマネジメントする必要性に迫られました。また、一部の紙処理周辺機においては設計品質問題が発生し、その対策の為に設計手戻り工数が増加しました。このような環境変化や品質状況においても、多くの紙処理周辺機プロジェクトを同時に進めながら、早い時期に設計完成度を高めて、それぞれのプロジェクトを計画通りに完遂する事を目指して『品質マネジメントプロセス』と『プロジェクトマネジメントプロセス』を効果的に融合させた『プロジェクト型品質マ ネジメント』(PQM:Project Quality Management)の仕組みの構築に取り組んでまいりました。
PQM活動により手戻りが削減され、その結果『設計生産性』が向上し、創出した余力により新しい機能を有する紙処理周辺機を上市することも出来てきております。
この度の受賞を機にPQMの仕組みをスパイラルアップさせ、行動指針のひとつである『自ら行動し、自ら創り出す(自主創造)』の精神で、『お客様にいつまでも安心・満足、使い続けて感動』いただく商品・サービスを創り出し、お客様価値の創造や増大に貢献してまいります。

所在地:神奈川県海老名市

受賞理由
テーマ:PQM(プロジェクト型品質マネジメント)による設計生産性の向上

リコーテクノロジーズ株式会社・第二設計本部は、複写機や商業用印刷機の周辺機器の開発・設計を担当しており、従来から“開発・設計業務における生産性向上”という大きな経営課題を有していた。同部門は、これを解決するために「プロジェクト型品質マネジメントシステム」の構築・運用に取り組んだ。特徴は、a) 機能の共通性に着目した品質工学の系統的な適用と評価方法の標準化・共有、b) 徹底したタスクの分解と単純化した5つの指標によるアラート管理と階層的な進捗確認と、c)これら2つのシステムを一体化させた運用である。この取り組みは、他の組織における再現性・有効性と、TQMの発展に寄与する革新性を持ち、日本品質奨励賞品質革新賞に値するものと評価した。

2016 株式会社エィ・ダブリュ・ソフトウェア
テーマ:
プロアクティブソフト開発システム

株式会社エィ・ダブリュ・ソフトウェア

弊社は、ソフトウェア開発の専門会社として1996 年の創立以来「品質至上」の経営理念のもと、お客様にご満足、感動していただける「良い製品開発」に努めてまいりました。現在の中核事業は、カーナビゲーションをはじめとする車両情報技術(VIT: Vehicle Information Technology)向けのアプリケーションソフトウェア、地図データベースおよび次世代VIT要素技術の開発であります。 これらの成果物であるアプリケーションソフトウェアや地図データベースは、VIT製品にて世界トップレベルのシェアを誇るアイシン・エィ・ダブリュ株式会社の製品に搭載され、世界75 の国と地域のお客様に広くお使いいただいております。 近年、VIT事業を取り巻く環境はこれまでになく速いスピードで変化しております。変化する環境の中で「良い製品開発」のさらなる高みを目指すには、日々刻々と変化する市場やお客様の製品に対するQCDへのご期待に、迅速かつ確実な対応でお応えすることこそが、極めて重要であると考えております。 弊社では、製品開発中に発生するさまざまな変化に対し、実際に発生した対象プロジェクト内の該当工程だけではなく、すべての工程・すべてのプロジェクトがそれぞれの仕事を通じて、おのずとリスク対応をすることができる極めて実践的なシステムを構築してまいりました。 その結果、開発中に発生する新たな変化を先取りした確実なリスク対応により、お客様の高いQCDへのご期待に応えることができるようになりました。また、さまざまな変化に対する計画的な対応により、労務環境の劇的な改善を図ることができるようになりました。 今後も「品質至上」の経営理念を追求し、お客様にご満足、また感動していただける製品の開発を目指して、この仕組みの更なる進化を推進してまいります。

所在地:北海道札幌市

受賞理由
テーマ:プロアクティブソフト開発システム

同社は、「品質至上」を経営理念とするアイシン・エィ・ダブリュ㈱のソフト開発専⾨会社であり、カーナビ用のデータベース開発を⼀括委託され、75 の国と地域をカバーしている。同社は2011 年から「5年で開発費の半減」、「技術力の強化」を⽅針とし、「プロアクティブソフト開発システム」を開発・実践し成果を上げている。 本件は1)開発上の不具合に対する予測精度が高い。2)個別プロジェクトの不具合を、全プロジェクトで情報共有し未然に防。3)変化点管理ディスプレイなどを使い、PDCAサイクルを迅速に回すこと、が特長である。

積水化学工業株式会社
テーマ:
全社対象のモノづくり教育研修体系の再構築と推進

積水化学工業株式会社

積水化学工業株式会社は1947 年に創業致しました。現在の事業は住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスの3つのカンパニーと、これを支えるコーポレートに分かれており、多岐にわたる製品やサービスを提供させていただいております。 住宅カンパニーでは、戸建住宅「セキスイハイム」を中心に、リフォームや住生活サービスの提供など、多様な事業を展開し続けております。環境・ライフラインではパイプなどの公共インフラ製品や工場・プラント用の部材、高機能プラスチックスカンパニーでは、エレクトロニクスや車両・輸送用途の様々な加工素材、更には診断薬などライフサイエンス分野に到るまで、幅広い製品を扱っております。 さて、近年我々を取り巻く環境や社会は、驚くべきスピードで変化をしています。具体的には少子高齢化とベテランの退職による技能伝承の不足や生産体制の変更、刻々と変化する国際情勢に伴う素材やエネルギーの調達先の変化、更には為替の大きな変動等もあり、今後の変化も充分に想定されます。このため企業にとっても、経営環境はもちろんのこと、モノづくりの環境も今後も更に大きく変わっていくと思われます。 このような環境変化に柔軟に対応してゆくためには、モノづくりの基盤が継続的に確保・強化できるよう、人材強化育成の仕組みが必要でした。今回の受賞テーマは、国内外を含めた積水化学グループ全社対象での「モノづくり力強化」を目指し、モノづくり教育研修体系の再構築と推進の活動を時代の変化に合わせて2013年より進めてまいりました。 受賞させて頂きました「日本品質奨励賞 品質革新賞」を励みに、今後も一層モノづくり力を高め、世界中の方々のお役に立てる製品とサービスが提供出来るよう努力してまいります。有難うございました。

所在地:大阪本社 大阪市北区、東京本社 東京都港区

受賞理由
テーマ:全社対象のモノづくり教育研修体系の再構築と推進

同社は、「住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックス」の三つのカンパニーを中心として広く国内外に事業を展開している。応募テーマ『全社対象のモノづくり教育研修体系の再構築と推進』は、国内外を含めた積水化学グループ全体のモノづくり力強化に向けた教育研修体系の再構築と推進を目的に、2013 年に活動を開始した。 人材育成体系における教育研修のコンセプトに「教育軸」を考案し、従来の「階層別教育研修」及び「手法・手段系教育研修」の2 軸に「モノづくりマネジメント教育研修」を加えた、3 軸のモノづくり教育体系を確立している。従来の研修カリキュラムの大幅なリニューアル・⾰新を同時並行的に実施し、現場実務中心の研修から、経営幹部を含めた上位階層まで広くマネジメントスキルを学ぶ全社的研修としたモノづくりのマネジメント教育が特徴である。

2013 サンデン株式会社 環境推進本部
テーマ:
MFCA(マテリアルフローコスト会計)による環境経営への挑戦

サンデン株式会社 環境推進本部

サンデン株式会社は1943年に創業し、本年70周年を迎えました。当社は自転車用の発電ランプから始まり、業務用冷凍・冷蔵ショーケース、自動販売機、カーエアコン用コンプレッサー、カーエアコンシステム、住環境システムを製造販売し、世界中のお客様にお取引いただいております。
当社グループは、1986年からTQCやTPM活動を開始し、1994年からサンデン独自のSTQM(Sanden Total Quality Management)活動へと進化させ、全社活動として推進しています。
環境活動は1990年「地球にやさしい企業でありたい」とのトップメッセージに始まり、1993年に当社グループの環境活動の基本的考え方を示すものとして「サンデン環境憲章」を定め、現在、第2次環境ビジョンにてメーカーとして更なる環境技術開発の推進と、社員が日々の活動で実現する環境保全活動において、それぞれの目標を設定し活動しています。
また、工場全体としてのトータルなロスの把握および廃棄物の発生源として「原材料の使われ方のロス」まで踏み込んだ活動を推進するため、製造段階での環境経営を目指す手法の一つとして、製造プロセス全体のロスの把握と改善のポイントが得られるマテリアルフローコスト会計(MFCA:MaterialFlow Cost Accounting)の展開を、2005年より行ってきました。
当社グループは、MFCAの活動が、現場改善にとどまらず製品設計/技術設計/生産技術の開発テーマ・サプライチェーン全体での革新活動となり、環境経営の柱となることを目指しています。
このたびの受賞を機会に「MFCAによる環境経営」をさらに強化し、資源生産性向上のための革新活動を継続していく所存です。

所在地:群馬県伊勢崎市

受賞理由
テーマ:MFCA(マテリアルフローコスト会計)による環境経営への挑戦

サンデン株式会社は、コンプレッサなど自動車系、ショ―ケース・自動販売機など流通系、エコキュートなど住宅系の3事業をグローバルに展開している企業である。
2005年からMFCA(Material Flow Cost Accounting)を導入し、サンデングループ全体に活動を展開している。特に大手コンビニチェーンを対象にした3Rビジネス(Reduce Reuse Recycle)では、顧客と企業双方に環境・経営上の効果を上げ、環境と経営の両面に新たな価値を創造した革新的な活動である。

サンデン株式会社 生産管理・IT本部、経理本部
テーマ:
グローバル会計システム構築によるマネジメントシステムの革新

サンデン株式会社 生産管理・IT本部、経理本部

サンデン株式会社は1943年に創業し、本年70周年を迎えました。当社は自転車用の発電ランプから始まり、業務用冷凍・冷蔵ショーケース、自動販売機、カーエアコン用コンプレッサー、カーエアコンシステム、住環境システム、通信機器を製造販売し、世界中のお客様にお取引いただいております。
当社は、「我々の強みである品質力とグローバル力を基盤に、環境商品を創出し社会貢献していく」という経営方針を掲げております。長年取り組んできた当社独自の全社的品質改革活動STQM(Sanden Total QualityManagement)により築き上げた品質力と、海外展開40年23カ国54拠点のグローバル力を基盤に、事業活動の基軸に「環境」を置き、環境貢献と事業成長の一体化を図っています。
全社的なマネジメントシステムの基盤は、ISO9001・14001の認証の取得で構築して参りましたが、併せて実施してきた全員参加のSTQM活動の結果が、1998年デミング賞実施賞、2002年日本品質管理賞、2007年には当社会長 牛久保雅美のデミング賞本賞受賞に表れています。
創立から30年の国内を中心とした第一次成長期に続き、積極的な海外展開による事業拡大を進めた第二次成長期を経て、現在、第三次成長期を迎えております。本社の求心力を高め、真のグローバルエクセレントカンパニーズとなるために、従来の現地に適応する「Adapt体質」から、本社方針を現地に適用するガバナンスの効いた「Apply体質」へ、グローバルマネジメント体質の変革を進めています。
本受賞を機に、「グローバル会計システム構築によるマネジメントシステムの革新」で築いたグローバルマネジメント基盤を更に強化し、企業体質の継続的改善に取り組んでいく所存です。

所在地:東京都台東区、群馬県伊勢崎市

受賞理由
テーマ:グローバル会計システム構築によるマネジメントシステムの革新

サンデン株式会社は、自動車系、流通系、住宅系の3事業を日米欧亜23ケ国54拠点でグローバル展開している。
生産管理・IT本部と経理本部では、国内外の拠点ごとに構築してきた業務プロセスや情報システムを見直し、インターネットを駆使したクラウドコンピューティングサービスを利用してグローバル会計システムを再構築することで、経営指標の見える化や経営意思決定の迅速化、ITコストの平準化という経営課題を解決した。コンピュータシステム構築によりマネジメント革新をした事例として評価できる。

橋本総業株式会社
テーマ:
「みらい活動」によるビジネスネットワークの構築

橋本総業株式会社

橋本総業株式会社は、明治23年の創業以来、管工機材、住宅設備機器及び空調機器の一次卸(商社)として、また管工機材業界のリ-ディングカンパニーとして発展して参りました。
商売の形態は、初代の輸入商に始まり、次代の製造卸、三代目の特約店制度の活用、そして現在のベストパートナーをモットーとした取引先満足度の向上、地域密着型営業至るまで、時代のニーズに応じ、当社はさまざまに変化を遂げてきましたが、一貫して「正直、親切、熱心」そして取引先に対する「感謝」の気持ちをもって業績向上に努めて参りました。
商品は、インフラ関連商品としてパイプ、継手、バルブ等の管工機材に始まり、キッチン、バス、トイレ、給湯といった住宅設備機器、エアコン、ポンプといった空調機器やエネルギー関連の太陽光発電など、さまざまな設備商品を取り扱っております。また、北海道から沖縄まで全国の営業支店網を経由し、日本全国どこへでも商品をお届けできる物流網を有しております。
この度の日本品質奨励賞 品質革新賞の受賞を機会に、当社を取り巻くメーカー、販売店そして工事業者とのネットワーク作り「みらい活動」のさらなる推進と業界全体の発展に寄与したいと考えております。
当社の経営理念である「設備商品の流通とサービスを通じた、快適な生活の実現」を今後とも目指して参ります。

所在地:東京都中央区

受賞理由
テーマ:「みらい活動」によるビジネスネットワークの構築

橋本総業株式会社は、管工機材、住宅設備機器及び空調機器などの商品を扱う卸業を営む、資本金5億4千2百万円、売上高1,102億円、従業員数668名の企業である。「『みらい活動』によるビジネスネットワークの構築」は、工事業者、販売店、メーカと橋本総業の四社が一体となり、人と人とがつながることで、お互いのビジネスが向上する関係づくりを目指す取り組みである。成果の一つとしては、1997年を基準として2012年には我が国の名目建設投資が40%減少する事業環境で、売上高は50%増加していることがあげられる。

2012 小松共栄工業協同組合
テーマ:
組合員企業のEMSを活用した相互研鑽による経営体質の強化

小松共栄工業協同組合

小松共栄工業協同組合は1973年にK社の二次協力企業8社で設立された共同受注の組合です。現在の組合員数は、板金・溶接関係12社と機械関係5社の計17社で構成されており、従業員数は最多が52名、最少が2名(10名以下が7社)と規模の異なる組合員で構成されており従業員総数は約350名です。主要な生産品目はK社を中心とした、建設機械部品の製造を行っており、2011年度の売上高は35億円です。 当組合は、設立の理念であります“共存共栄”のもと、各社の特長ある固有技術と情報のネットワークを活用して経営に取組んでまいりました。2006年度に打ち出されたK社の環境方針、調達方針に対応し、①一次協力企業並みにEMS認証を取得する②一次協力企業レベル並みへ体質改善を図るため、2008年度に入り対象16社でグループエコステージの導入を致しました(内一社はISO14001取得済み)。組合事務局のリーダーシップのもと、組合員企業16社がエコステージの手法を活用し、徹底した5S活動、モデル企業見学、全員参加の改善活動、改善テーマ発表会、相互内部監査などを活用した相互研鑽を実践し、企業単独では為し得ない経営体質の強化を図ることができました。これらにより、2009年3月にグループエコステージ1を、2012年4月にグループエコステージ2のいずれも国内初の認証を取得するとともに、環境だけでなく、品質、納期、在庫について大幅な改善を達成し、人材育成などの面でも大きな無形の成果を得ることができました。 この度の日本品質奨励賞品質革新賞の受賞を機会に、エコステージ活動を環境経営管理システムとして定着させ、お客様のニーズに総合力でお応えできるよう、固有技術の専門化・高度化に積極的にチャレンジしていく所存です。

所在地:石川県小松市

受賞理由
テーマ:組合員企業のEMSを活用した相互研鑽による経営体質の強化

小松共栄工業協同組合は、建設機械部品の製造企業による共同受注の組合組織で、従業員は2名から59名、総売上高は35億円である。組合員企業16社が協力し、エコステージを活用し、相互内部監査、モデル企業見学、全員参加の改善活動、改善テーマ発表などの相互研鑽を実践し、企業単独では至難の経営体質の強化を図った。これらにより、国内初のグループエコステージ2の認証を取得すると共に、環境だけでなく、品質、納期、在庫の面で大幅な改善を達成し、5S、人材育成などの面でも大きな無形成果を得ている。

サンデン株式会社 開発部門(開発本部、エレクトリックEngセンター)
テーマ:
シーズ技術開発とハイスピード組合せ技術開発システムの構築

サンデン株式会社 開発部門(開発本部、エレクトリックEngセンター)

サンデン株式会社は1943年に創業、自転車用の発電ランプから始まり、時代とともに業務用冷凍・冷蔵ショーケース、自動販売機、カーエアコン用コンプレッサー、カーエアコンシステム、住環境システムと、製品開発をすすめ、世界中のお客様にお取引いただいております。
当社は、「私たちの強みである品質力とグローバル力を基礎にして、環境技術商品を創出して社会に貢献していく」という経営方針を掲げ、長年取り組んできた当社独自の全社的品質改革活動STQM(Sanden TotalQuality Management)により築き上げてきた品質力と、23カ国53拠点のグローバル力を基礎に、事業活動の基軸に「環境」を置き、環境貢献と事業成長の一体化を図っています。
全社的なマネジメントシステムの基盤は、ISO9001・14001の認証の取得で構築してまいりましたが、全員参加の全社的品質改革活動の結果として、1998年デミング賞実施賞、2002年日本品質管理賞、また、2007年には、当社会長 牛久保雅美のデミング賞本賞受賞にあらわれています。
今回、研究開発活動におきましても、より確実に、効率的・効果的に新製品を継続的に創出するため、TQM活動のステップアップを目指して、「日本品質革新賞」に挑戦いたしました。
このたびの受賞を機会に、「シーズ技術開発とハイスピード組合わせ技術開発システムの構築」により、更なる改善活動を重ね、環境先進製品の開発の継続的実現に向けて邁進していく所存です。そして、コーポレートスローガンとして掲げる「Delivering Excellence」を合言葉に、一丸となって世界中のお客様に満足される魅力のある製品、システム、サービスを提供してまいります。

所在地:群馬県伊勢崎市

受賞理由
テーマ:シーズ技術開発とハイスピード組合せ技術開発システムの構築

サンデン株式会社は、コンプレッサなど自動車系、ショ―ケース・自動販売機など流通系、エコキュートなど住宅系の3事業をグローバルに展開している企業である。
サンデンの開発部門では、将来の経営に寄与できる革新的な技術・製品開発の仕組みを作りあげ、プロジェクト計画承認までの開発リードタイムの短縮、節目でのDRによる早期問題対処により、プロジェクトの成功率を上げている。特に、研究所組織を持たない企業の技術開発・製品開発に特徴がある。

2011 アイシン・エイ・ダブリュ株式会社 生産技術本部
テーマ:
垂直立上げのための勤勉サイクル

アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 生産技術本部

当社では、1969年設立以来「品質至上」の経営理念のもと、お客様にご満足いただける製品作りに努め、オートマチックトランスミッション(AT)専門メーカーとして世界No.1の地位を築いてまいりました。1992年には世界初のボイスナビゲーションシステム開発に成功し、加えて、ハイブリッドシステムや電気自動車をはじめとした車の未来を指向した製品をも手がけております。1977年にはデミング賞、1982年と1991年に日本品質管理賞など受賞し「品質至上」の徹底と実践をしてまいりました。近年の自動車事業への要求は、QCDESどれを取っても高度化、複雑化しており、今後は、さまざまな難課題に対する同時実現の達成が品質経営の鍵になると考えております。
生産技術本部では、部長・課長クラスのQC検定取得による共通言語とセンスの獲得、徹底したデザインレビューによる課題すり合わせ、高度なSQC手法を活用した課題解決、発表の場づくりと評価、といったごく基本的ですが相乗効果を発揮する活動が、達成感と更なる成長への意欲を生みだし、グッドサイクルをもたらしました。この結果、例えば、生産革新が進み、製品の高機能化と短納期垂直立上げが同時実現できるようになって参りました。
本部全員が自ら成長したい、人間としての価値を高めたいと目覚め、勤勉なグッドサイクルが回りだしています。これが私たちの「勤勉サイクル」の本質であり、今後も究極のものづくりを追求して参ります。

所在地:愛知県安城市

受賞理由
テーマ:垂直立上げのための勤勉サイクル

アイシン・エィ・ダブリュ株式会社・生産技術本部は、2006年以来、小型・省エネ時代に向けた生産技術の革新に取り組んできた。その過程で、①本部長や部長がレビュー会議において論理的・統計的ものの見方・考え方を徹底して求める、②QC検定を活用し、一人一人のSQC能力を向上させる、③大自慢大会や研究発表会を開催し、達成感の共有とモチベーションアップをはかる、などの工夫を行い、結果として、問題点が前倒しで抽出・解決され、量産試作後の設計工数の大幅削減、独自技術の開発、若い人材の育成を果たしている。

ツカサ電工株式会社
テーマ:
「環境管理システム」から「経営管理システム」への拡大による経営の質向上

ツカサ電工株式会社

ツカサ電工株式会社は1968年東京都中野区に創業、DCギヤドモータおよびブラシレスモータの製造販売を中心としたモータ事業とスポーツタイマー、コースロープの製造販売のタイマー事業、チューブポンプを手掛けるポンプ事業の3つの事業を展開しております。
当社の主な柱であるモータ事業においては、様々な分野におけるお客様と社会のニーズに応えるため、いち早く「小型・高トルク・省エネルギー」というDCギヤドモータの特性に着目し、高品質・小型DCギヤドモータを開発、ATM(現金自動預け払い機)をはじめ券売機、自動販売機、アミューズメント機器を中心に、医療機器、事務機器、住宅関連機器、外食産業関連機器からロボット分野にまで幅広く採用されております。
当社はこれまで経営理念であります「優れた商品とサービスを提供し、お客様と社会に貢献する」のもと、方針管理レベルを高めるべく「経営管理システム」の充実に注力してまいりました。2007年エコステージを導入し、環境を軸にした「環境管理システム」を推進、PDCAのサイクルを回して「ムリ・ムダ・ムラ」を排除していくエコステージの進め方を、環境のみならず品質をも含んだ経営の重点課題を総合的に管理する新しい「経営管理システム」へ拡大いたしました。これにより、経営課題への取組状況がより一層見える化され、社員の課題への共通認識と改善意欲向上に大きく寄与することとなりました。
また、ものづくりの現場においては、小口顧客対応を可能にする「1台からの受注と品質保証」システムの維持・改善を図ることにより、顧客満足度を高めることができ、ご支援頂くお客様を増やす事が出来ました。その結果として経営指標の改善につなげる事が出来た次第です。
今回の受賞を機に、品質の更なる改善・改革を追及するとともに、「経営管理システム」の進化も併せて推進し、更なる飛躍を目指してまいります。

所在地:東京都中野区

受賞理由
テーマ:「環境管理システム」から「経営管理システム」への拡大による経営の質向上

ツカサ電工株式会社は、1968年の創業以来、経営理念「優れた製品とサービスを提供し、お客様と社会に貢献する」に基づき経営を進め、モータ事業、タイマー事業において、オンリーワン企業を目指して、常に新たな市場を開拓してきた。2007年より、RoHS指令を背景として顧客からの環境規制への要求が高まったことに対応して、エコステージを導入した。PDCAのサイクルを回して「ムリ・ムダ・ムラ」を排除していくエコステージの進め方を、環境のみならず、品質をも含んだ「経営管理システム」へ拡大させた。この際のプロセス改善には、多くの革新的な方法が実行され、経営指標の改善につながった。これらの活動の革新性・有効性が高く評価された。

2010 アイシン精機株式会社 生産部門
テーマ:
不良ゼロを目指したパーフェクトラインづくり

アイシン精機株式会社 生産部門

アイシン精機株式会社は、1965年に愛知工業と新川工業の合弁会社として設立し、自動車部品の生産・販売する総合メーカーです。「品質至上」を基本理念とし、創業以来、品質重視の精神を継承しております。この「品質至上」の基本理念を実践するための柱をTQMとし、当社は1972年にデミング賞を、更に1977年と1990年には日本品質管理賞を受賞しております。
良い製品をお客様に提供する為には、良品を提供し続けられる、しっかりした仕組みづくりとその維持向上活動を継続的に実施する必要があります。当社では、お客様第一の原点に立ち返り、100%良品の製品を提供し続けられるよう、全社を挙げた「A-CF(アイシン・カスタマー・ファースト)活動」を推進してきました。
生産部門の「不良ゼロを目指したパーフェクトラインづくり」は、A-CF活動の一環で、これは、単に製造現場の検査を強化し後工程への不良流出を防止するというものではなく、設計・生産技術・製造・品質等全ての機能が連携を密にし、不良が“発生しない”“流れない”ラインづくりを目指すことです。「パーフェクトラインづくり」は、「図面どおりのものをつくり続ける為に、4Mを決められた通りに維持・管理する」という、基本をしっかりやりきる活動です。また、この活動を支える人材育成については、「グローバル技能実践場」を開設し、全工場共通の階層別教育を推進しております。その結果、工程内不良や人材育成の面で大きな成果を上げることができました。
今回の受賞を機会に、更に「パーフェクト」を追求するとともに、「パーフェクトラインづくり」のグローバル展開を加速させていく所存です。

所在地:愛知県刈谷市

受賞理由
 
テーマ:不良ゼロを目指したパーフェクトラインづくり

アイシン精機株式会社は、世界をリードする自動車部品の総合メーカーであり、従前よりTQMを推進しつつ、グローバル化に対応する生産体制の構築と人材の育成を進めてきた。これらの活動をベースする本テーマは、“お客様第一の原点に立ち返り、100%良品の製品を提供し続けられる”ことをねらいとした全社活動の一つであり、人材育成の方法及びプロセス管理の方法に多くの革新が行われ、生産ラインでの不良ゼロを目指す未然防止の総合的なシステムとしてその革新性・有効性が高く評価された。

トヨタ自動車株式会社
テーマ:
自工程完結

トヨタ自動車株式会社

当社は1937年の創業以来、クルマづくりを通じてお客様や社会に貢献することを使命として企業活動を行なって参りました。クルマの製造を事業の柱としながらそのノウハウを活かし、バイオ緑化・情報通信・GAZOOなどの分野でも事業展開を行なっており、現在従業員は約32万人(連結)で、各国/各地域の文化・慣習を尊重したグローバル展開をしております。
SQCを導入した1949年以降、1965年のデミング賞受賞・1970年の日本品質管理賞受賞を経て現在に至るまで、「お客様第一・絶え間無い改善・全員参加」という基本理念のもと、トヨタの全従業員がQC的ものの見方・考え方を基盤にTQMを実践し、経営環境の変化に柔軟に対応できる強靭な企業体質づくりを進めて参りました。
2007年からは、近年の自動車事業を取巻く厳しい環境変化に応えるため一層の仕事の質の向上を目指し、一人ひとりの仕事に対して「自工程完結」を導入する方針をたて、社内のみならずグループ会社などに展開して参りました。「自工程完結」とは、職場の担当者自身が良い仕事を行なうために必要な要件を明示し、自らの仕事の良し悪しをその場で判断できることを目指したものであり、『品質は工程で造りこむ」という検査に頼らない品質保証の精神を全ての仕事において実践しようとするものです。現在はグループ会社を含め着実に理解と浸透が進み、仕事の質の向上に加え、生産性向上や達成感の向上等の成果にも結びついております。
これからの時代、真にお客様にご満足いただく価値を提供するため自工程完結を軸としたTQMの実践強化を推進し、全員が心を一つにして「もっといいクルマづくり」に努力して参ります。

所在地:愛知県豊田市

受賞理由
テーマ:自工程完結

トヨタ自動車株式会社は、自動車事業を中核として展開している従業員約30万人(国内外の連結子会社を含む)の企業である。
2007年より「品質を自工程で造り込む(Build in Quality with Ownership)」自工程完結の活動を製造分野から全社へ展開している。定常業務効率化で新規業務へのチャレンジ、さらに現地現物での確認徹底などで一人ひとりのスキルとモチベーションが高まり、仕事の正味時間が増加し、新たな業務やクリエイティブな仕事に割く時間を確保できる成果を得ている。

2009 高畑精工株式会社 東京工場
テーマ:
人材育成による業務改善と生産効率の向上の成功事例

高畑精工株式会社 東京工場

高畑精工株式会社 東京工場は、1929年の創業以来一貫して高度なテクノロジーの開発に挑戦してきた。高精度なプラスチック歯車の金型設計、金型製造、精密測定及びその成形技術を軸にして、QA機器関連部品・自動車関連部品及び住設機器部品を始めとした様々な製品及びサービスを提供し、これらを全世界に事業展開している。顧客の製品企画段階より開発設計に参画し、開発設計から生産準備、量産までの一貫体制を整備している。1995年にISO9001の認証を取得し、2007年にエコステージ1の認証を取得している。人材育成を重視し、汎用加工の高度な熟練技術の習得、各自のレベルアップ、幅広い知識と匠の技の維持向上、高精度な金型設計・製作技術を支える人材育成が体系的に図られている。また、IT技術を活用した金型設計、金型製作評価プロセスにおけるデータベース化、標準化、金型品質(金型の精度、検査データ及び検査・試験成績書の内容【質】)の向上活動が推進され、個人のノウハウが技術蓄積として活かせる仕組みが構築されており、人材育成が効果的に実施されている。教育訓練、QCサークル活動、見える化による業務改善、6S活動(5S + Safety)を展開し、これらが人材の育成、職場の活性化、業務改善と生産効率の向上など経営効果につながっている。 これらの仕組みは、他社でも導入可能であり、人材育成が情報化技術をうまく活用して効果的に運営できていることから有効性、再現性、革新性の点でも高く評価でき、品質革新賞に値すると判断できる。

株式会社デンソー パワトレグループ 機能品事業部
テーマ:
設計起因の品質問題を予防する道具の開発と活用

株式会社デンソー パワートレイングループ 機能品事業部

近年、製品に関わる市場での品質問題が多発しており、メーカーの市場対策費用が著しく増加している。その原因の多くは製品設計段階にあり、設計段階での未然防止活動がますます重要になっている。株式会社デンソーは、2000年から昨年の世界経済危機までに売上高で2倍の成長を遂げ、伝統的に品質重視の経営で知られており、品質問題の未然防止には全社的に努めている。特に、初期流動管理として、新製品開発の品質保証体系を確立し、製品企画、製品設計、生産準備、量産の各プロセスの節目でのデザインレビュー(DR)を徹底させている。その中で、PT(パワトレイン)グループに属する機能品技術2部では、製品企画でのDRとして成立性DR、製品設計でのアーリーステージ(ES)DR、パーフェクトクォリティ(PQ)DRを実施している。そして、そこで用いるツールとしてPQ?DRを中心に、「設計起因の品質問題を予防する道具の開発と活用」のプロジェクトのもとで、優れた予防ツールを開発し、体系的な仕組を構築してその活用を図ってきた。そのツールの核心は、設計担当者およびデザインレビュー審議者がいかに確実に心配点に気づくかにある。その心配点は、リスク管理でいえばハザードに相当するもので、後工程や市場において品質問題を生じるリスクを内在する点を意味する。当部では、(1)FMEA辞書、(2)新規点・変化点抽出シート、(3)キーワード集、(4)マクロFMEA作成シート、(5)DR司会者注意事項集を心配点に気づくための仕組みとして、体系的に、ソフトウェアシステムとして構築し、それを活用して、PQ?DRなどの質の改善に活用してきた。その結果、デザインレビューにおける審議者指摘件数の大幅な増加、正式出図後の設計変更件数、市場品質クレームの大幅な減少と目に見える成果を得た。
本賞の審査項目である有効性、再現性、革新性においてきわめて優れていると評価される。

パナソニック株式会社 ホームアプライアンス社 クリーナービジネスユニット
テーマ:
グローバルに勝ち続ける新製品開発の仕組みづくり

株式会社パナソニック ホームアプライアンス社クリーナービジネスユニット

パナソニック株式会社 ホームアプライアンス社は、家電製品を中心に、電子部品、設備機器、システム機器、さらに住宅に至るまで、人々のくらしをとりまく幅広い製品やサービを世界の市場に提供している。 ホームアプライアンス社のビジネスユニットの一つであるクリーナービジネスユニット(以下VCBUという)は年商243億円の事業で、製品の特徴を活かし、グローバルな事業を先駆的に展開している。クリーナーは世界各地・各国でそれぞれ居住環境が異なるので、お客の要求や使い方も地域によって大きく異なるという特徴がある。これに的確に対応するため、VCBUでは、日本、中国、アメリカ、マーレシア、メキシコ、イギリスなどの拠点毎に開発、生産、販売機能を置き、グローバルな事業展開をしている。 事業展開をする中で、「グローバルに勝ち続ける新製品開発の仕組みづくり」として品質機能展開(以下QFDという)を新製品開発業務の見える化のための中核手法として活用し、新製品開発のための総合システムとして確立、グローバル化への対応を積極果敢に取り組んでいる。 こうした仕組みの構築とグローバルな普及は、(1)海外拠点を含めた確実な品質保証 (2)原価企画活動と連携したコストダウン (3)グローバルな人材育成 (4)開発期間の短縮化 (5)技術の伝承 などに大きな成果をあげているとともに今後の日本の製造業のグローバル化に対応した新製品開発システムの模範になると期待できる。

2008 株式会社テレマーケティング ジャパン 変革推進本部 TCS推進室
テーマ:
広域に拡散した、複雑な就労体系の職場におけるリアル・バーチャルを組み合わせた小集団活動推進の成功事例

株式会社テレマーケティングジャパン 変革革新本部 TCS推進室

株式会社テレマーケティングジャパン(以下TMJと呼ぶ)は、ベネッセコーポレーション(当時は福武書店)の社内テレマーケティングからスタートし、1992年会社設立以降、順調にお客様、コールセンタを拡大してきた。TMJでは、オペレータがお客様企業を代表しているという考え方からテレフォン・サービス/セールス・リプレゼンタティブ(TSR)と呼び、お客様の満足を大切に考えている。そのため、TCS(Total Customer Satisfaction)推進室を設置しCS向上を推進してきたが、様々な問題があり、社員(ES)、会社(MS)、お客様(CS)、株主(Share Holder)の4者の満足を向上させることを狙いとし、QCサークル活動の枠組みを使って、全社の改善をはかるための「小さな改善」活動を展開してきた。
社員の勤務場所が全国に広く散在し、雇用形態・勤務形態も多様化しているといった複雑な環境下で、ブログ(Web Log)、文書共有システム、Web会議などのIT技術を利用したバーチャルな仕組みと、管理者の関与・発表会・表彰・成果の水平展開などのリアルな仕組みを組み合わせて推進の仕組みを作り上げてきた。その結果、チーム数の増加に加え、お客様満足、社員満足の向上を図り、離職率低下、正社員への転換者数増加などの成果を挙げている。
このリアル・バーチャルの仕組みは、他社で導入可能であり、IT技術をうまく使って効率的に運営できていることから革新性も高く、品質革新賞に値すると判断できる。

長津工業株式会社 小松西工場
テーマ:
「工場の見える化」による生産効率向上

長津工業株式会社 小松西工場

長津工業株式会社 小松西工場は、石川県小松市で株式会社小松製作所向けの建設機械用トランスミッションの組立てを主要営業品目とする、売上高180億円、従業員160名規模の事業所で、最近ではバンコク、ベトナム、中国などの海外進出を果たしています。今回の品質革新賞の応募テーマは、『工場の見える化による生産効率向上』とありますが、実際はこれを包含する全体システムである「環境マネジメント」の中の活動でした。有効性の面では「環境マネジメント」のシステム構築のために、四つの環境経営改善項目を設定して全社的な活動により在庫品の大幅削減(40%減)やCO2削減(年間200t)などの成果が見られました。
具体的な活動としては、5S活動を全社で徹底的に取り組み、「現場作業の見える化、管理の見える化」と「多能工認定制度」など一連のプロセスが効果的に機能し、環境面での成果のみならず、品質不具合の低減、製品・部品在庫の削減など生産効率の向上につなげ、工場経営に大きく寄与しています。再現性の面では、方針管理を課レベルまで展開し、PDCAサイクルを回して管理の定着を図っています。更に、この秋にはエコステージの次ステップへの挑戦も決まっており、環境経営への取り組みも順調に進められています。これらの活動はグループ内の他の工場へも普及していますし、最近では、工場見学者も増加しており、一般製造業界への適用も期待されます。革新性では、環境マネジメントを構成する「多能工認定制度」による力量マップ、「エコステージ活動」によるQCD管理板、エコステージ管理板、「5S活動」による3定表示、私の宣言表示板など一連のプロセスで構成されていて、活動状況の「見える化」が図られています。これらは生産現場の日常業務に密着した有効なシステムとして評価できます。

2007 株式会社コロナ 製造本部
テーマ:
New 5Sによるハキハキ・キビキビ集団の実現

株式会社コロナ 製造本部

株式会社コロナは、1937年新潟県三条市で創業し、1955年に我が国で初めての石油ストーブの生産を開始し、79年には石油ファンヒータの生産、2001年には自然冷媒給湯器エコキュートの生産を開始している。2002年には生産構造改革を展開し、コンベア生産からセル生産方式を取り入れている。現在は、資本金74億4,960万円、社員数1,867名で製造本部は684名となっている。2006年度の売り上げは、846億円である。
製造本部は、2004年4月、第3次中期経営計画にともなって、「感動してもらえるものづくり集団」を目指してコロナのTQMであるCQMを本格導入し、2006年に日本品質奨励賞TQM奨励賞を受賞している。今回は企業における最も重要な経営資源は人材であることから、人財つくりの活動要素としての「New 5 Sによるハキハキ・キビキビ集団の実現」に焦点をおいて日本品質奨励賞品質革新賞を受審している。
New 5 Sは、従前の 5 S活動の取り組みを基本から見直して、躾をより一層重視して「決めたことをしっかり守る」土壌をつくる活動である。企業風土を改革し"TQMを真に根付かせるための活動要素"と位置付け、方針管理の重点施策として盛り込み、幹部から職場第一線の社員まで巻き込み全員参加で取り組んでいる。職場活性度評価と見える化によるフィードバックなどを通して自律的にNew 5 S活動の継続的活動を進め、活動の範囲もグループ5社に拡大している。
その結果、体操・朝礼を取り入れたモラールアップ、New 5 S活動による職場競争力向上、7つのゼロと3ムの考え方浸透による改善意欲の向上などを実現している。これらの成果が生産性の向上などの経営成果にも結びついている。

株式会社CIJ ワイドビジネス事業部 SIビジネス事業部
テーマ:
ソフトウエア技術者のCS・PSマインド育成による顧客満足の向上

株式会社CIJ ワイドビジネス事業部

株式会社CIJ(Computer Institute of Japan、Ltd.)は、1976年米国法人Com-Stute、Ltd.より独立して設立された株式会社日本コンピュータ研究所から、2000年に社名変更がされ、本社を横浜市西区平沼に置き、システム開発およびシステム開発に関連するサービスの事業展開をしている企業である。売上品目は、システム開発、コンサルテーション及び調査研究、システム/パッケージ・インテグレーション・サービス、インターネット・サービス及びその他である。
2000年には、JIS Q 9001:2000(ISO9001:2000)の認証登録を行い、品質管理を全社的に推進して来た。また、日科技連のPS調査受診時にPS(パートナー・サティスファクション)を学ぶ機会を得て、"プロジェクトメンバーの仕事満足が、そのプロジェクト全体の生産性や品質に大きな影響を与えると共に、PS向上がプロジェクト・マネジメントにとっても、顧客にとっても良い結果を導くこと"を知ったことが、その後の「ソフトウエア技術者のCS・PSマインド育成による顧客満足の向上(テーマ名称、以下テーマ名を"CS・PSマインド育成"と略称)」活動を推進するきっかけとなっている。
2006年にSIビジネス事業部に"CS・PSマインド育成"活動を導入し、この活動の有効性が実証された。即ち、この活動を推進している部門と推進していない部門では、お客様満足だけではなく営業利益向上にも有益な差のあることが実証され、会社幹部会および担当役員からもその有効性が評価された。
2007年からはワイドビジネス事業部にも展開されている。
"CS・PSマインド育成"活動は、単なる運動ではなくシステムが構築され、年間スケジュールが決められ、調査結果の分析に基づき、対策が講じられ、PDCAのサイクルを回している改善活動である。システムは、PSアンケート調査、CS調査、CS対策およびCS・PS管理体制等から構成され、再現性の基盤となっている。
2007年から展開されているワイドビジネス事業部での成果を踏まえて、他部門への展開および他社への導入の場合にもその再現性は充分確保できるものと言える。
業務の中間プロセスでの成果評価が困難であり、しかも個々人のスキル・意欲が業務の成果に大きな影響を及ぼすソフトウエアの開発における顧客満足を向上させる手法として、"CS・PSマインド育成"活動を展開していることは、これまでのTQMの各種手法と比較してもその革新性は高く評価できる。
従来のTQMでは、ややもすると顧客満足調査・第3者調査や調査分析に重点をおきがちであるところを、担当者の満足・パートナーの満足とCS満足は一体であることを、"CS・PSマインド育成"として事業所内を啓蒙し、QC的システムを構築している。

株式会社シービーエム
テーマ:
病院清掃の品質保証を目的に、QFD(品質機能展開)とビジュアルマニュアルを活用し、品質情報首尾一貫化QAシステムとして開発した独自のシステム

株式会社シービーエム

株式会社シービーエムは、1975年に静岡県浜松市に設立された建物総合清掃管理や総合設備保守管理を事業とする、従業員約400名の企業である。
応募対象は、同社が開発・運用している「HOSVIQ(ホスビック):Hospital Housekeeping System by Visual Code for Quality Assurance」であり、「病院清掃の品質保証を目的に、QFD(品質機能展開)とビジュアルマニュアルを活用し、品質情報首尾一貫化QAシステムとして開発した独自のシステム」である。
「HOSVIQ」は、これを生み出す基礎となったTQMの方法として、トップのリーダーシップと全従業員の参加による、品質管理の考え方の浸透とともに、『HOSVIQ』の開発過程における業務改善の成果が標準化され、教育訓練による実施・改訂が行われ日常管理として定着している。
当システムは「品質情報首尾一貫QAシステム」として、顧客要求把握、顧客要求翻訳、コスト管理、品質確保、品質向上の5サブシステムで構成されている。
審査の結果、「有効性」「再現性」「革新性」の表彰要件のすべてを満たしている。特に、QFDによる顧客要求品質の実現のみならず、総労働時間の短縮を目指したコスト管理や「新人育成カルテ」を活用した教育・訓練などから、従業員満足と従業員定着率の向上、経常利益の向上を含め、経営面にも成果を得ている点が高く評価できる。

日産車体株式会社
テーマ:
品質機能展開(QFD)活用による品質を機軸とした経営

日産車体株式会社

日産車体株式会社は,日産グループの中軸として、セレナやウイングロードなど高品質のクルマを生産し、従業員は4000人、売上高は6000億円を超えています。
現有の多車種混流生産・3次元CADなどの特徴ある技術に加えて、QFDを基盤とする体系的な新製品開発システムを構築し、QFD活用の新たな展開をみせるとともに、顧客満足の向上や設計変更件数の減少に大きな効果をあげ、開発、生産技術、生産、品質保証の4つのパートを有機的に機能させて、経営の質を高めることに成功しています。
有効性の面では、全社的な重点活動としてQFDを推進し、品質保証の流れに沿って組織的にQFDを活用した結果、(1)車両内外装に関するお客様満足度の向上、(2)設計変更件数の大幅減少、型修正・試作専用費用などの開発費用の大幅削減、(3)技術データの蓄積とその次期型車への素早い展開、(4)コミュニケーションや論理的思考プロセスの醸成による人材育成などに顕著な効果を収めています。
再現性の面では、全組織的にQFDを活用する仕組みを確立し、次期型車開発に適用できるようにしているとともに、海外生産展開を図っています。文書化、標準化、教育訓練が行われており、当社以外の設計開発作業においても広く活用できると判断されます。
革新性の面では、企業経営の重点施策としてQFDを位置付け、目標達成シナリオシート(バーチャル版/フィジカル版)という独自のツールの開発などによって、QFDの効果的活用を促進しています。一般に利用されているQFDの応用範囲を大きく上回る場面で活用されており、QFDの新しい活用方法をきり開いたものと評価できます。

2003 株式会社NTTドコモ 研究開発本部コアネットワーク開発部
技術の名称:
移動通信網交換ソフトウェア開発における効果的レビューおよびその管理技術
2001 東京電力株式会社東火力事業所補修部
技術の名称:
安定供給と経済性を両立するための保修部におけるビジネスプロセス
2000 グローリー工業株式会社
技術の名称:
源流で品質・コストを確保し、開発期間を大幅に短縮する新製品開発システム
東京電力株式会社 福島第一原子力発電所技術部放射線管理グループ
技術の名称:
原子力発電所における線量当量の低減化管理技術

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