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官能検査から官能評価へ<2015年09月24日>

人の五感に通ずる感覚器官の感度を測定,指標とする官能検査は,これまで日本の製品の品質の向上,維持に重要な役割を担ってきました.
1990年に制定されたJISの官能検査は,ISOとの対応を図る目的もあり2004年に改訂されていますが,これも国内企業のグローバル化が進んでいったことの表れといえるでしょう.

それと同時に,それまで官能検査と呼ばれていた技術は,官能評価分析と名前を変えることとなりました.国内企業の製品開発において,これまで同一製品の大量生産からより製品が個人の嗜好に向けた少量多品種化し,品質の向上という視点は品質管理に留まらず,よりユーザーフレンドリーな製品,人の使い心地の良い製品,美味しい製品といったように,感覚から生じる嗜好を追求することに力が注がれたことがこの背景にはあります.検査の枠に留まらずに,広く製品開発の場面で人の感度や嗜好のテスト,調査が行われる様になり,官能検査という概念に変化を生じざるを得なかったのです.

現在では,官能検査から官能評価分析或いは官能評価と広く多くの人たちに呼ばれ,親しみある一般的技術となった官能評価の技術は,その一方で,成熟,確立,継承されないままに,品質管理,研究開発,マーケティング調査など,それぞれの分野で独自に使われることとなり,乱用,誤用も目立つようになってきている現状も否めません.

人の五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)の強度とその嗜好について,正確に測定し,正しい結論を導き出すためには,対象となるパネルとそのパネルに提供される試料,測定環境,手法と様々な因果関係を吟味して統制されるべきものが多くあることを,官能評価を行う者は常に肝に銘じておかなければなりません.

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Profile

      國枝 里美
(高砂香料工業株式会社
研究開発本部 専任研究員)
主に,食品および香粧品の開発のための官能評価,
匂いに対する人の感度と嗜好の研究に従事。
現在,日本官能評価学会常任理事、同企業部会会長を務める。
日科技連では,「官能評価入門コース」の講師を担当。
共著「官能評価士テキスト」「嗅覚と匂い・香りの産業利用最前線」など。

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