Mail News Archives
 検索
   
TQM(品質・改善・とマネジメント)
TQM

企業の立場でTQM推進を思う―推進事務局の体験から―(3)<2015年10月20日>

■TQM推進計画を具体化する



TQM導入の目的・目標をしっかり認識した推進計画が重要です。
 目先のことに追われ,ともするとTQMのためのTQMになってしまいます。TQM活動を経営計画の中でしっかりと位置付けして,目的を失わないことが必要です。

② TQM推進のやり方の手順があります。
 TQM推進のPDCAを効果的に回すことが重要です。TQM活動を効果的に推進するためには,TQM推進のやり方を手順化しておくことが必要です。トップの揺るぎない方針・牽引力と同時に,TQM推進スタッフのマネジメント力,すなわちTQM推進のPDCAを回す管理能力が重要であり,これがTQM推進の成否に大きく影響します。
 図4に「TQM推進の業務フロー図」を示します。TQM推進の手順について,推進事務局が行う実際の業務内容・仕事の流れを示したもので,アウトプット欄の帳票がTQM推進ツールの全体をあらわしています。
 TQM推進の基本計画を定め,重点活動を抽出し,月次計画を立てて具体化します。重点活動は機能別活動から部門別活動に落とし込み,方針管理活動,改善活動により推進します。
活動結果は各種診断において確認し,診断指摘および改善報告などの情報を基にTQM推進の評価を行い,PDCAを回します。
 
③ TQM活動の重点を絞り込み効果的に推進します。
 TQMの理論は広範にわたっています。何もかもが必要と思ってやみくもに進めると“労多くして効なし”に終わってしまいます。
中期経営計画を基にしたTQM推進計画の中で「重点活動」を明確にする必要があります。
 このためには,「現状把握」すなわち,今までの活動をトレースして「真の問題点・課題」を抽出しなければなりません。1,2ケ月はかかるかも知れませんが大事なプロセスで,時間を掛けるだけの価値は大いにあります。ワーキンググループを編成するなど「TQM推進組織」が必要になります。
 図5に「TQM導入のねらい」「TQM推進の基本方針」とあわせて「TQM活動の重点」の例を示しました。
TQMの導入が決定されてもすぐに全員参加が図られるとは限りません。図5は,各部門・各人にTQMの必要性を十分に理解させ,会社として,部門としてどのような活動を展開していけばよいのかを理解できるはずです。
 
④ ①~③を基に具体的なTQM推進計画を策定します。
 全員参加のもと,全社的にTQMを推進するためには,一人ひとりが何をすればよいのかを具体化しなければなりません。
 推進事務局が計画原案を作成しますが,いくらPDCAをしっかり回すとしても肝心のPがまずければ成果は得られません。また,計画の内容は多くの人の賛同を得なければ,事務局の独り相撲になってしまいます。
 全員参加の第1番目の仕掛けがTQM推進計画です。最初はできそうもないような計画案を示して,反論を引き出して修正すれば部門の参画意識が芽生えます。“TQM推進の第1歩は妥協に始まる”というのも事務局の仕掛けになるでしょう。
 図6に「TQM推進強化計画表」を示します。推進のステップを区切り夫々のねらい・到達目標を明示し,“実施事項”欄が具体的な活動の内容です。“支援事項,推進組織・行事”欄が推進事務局の作業内容になっています。

⑤ 重点活動の推進が事務局の要です。
 デミング賞でのいわゆる「光物」にあたる活動ですが,それはともかくとして,自社の現状をしっかりと把握してこれまでの活動のよい点と今後の課題を明確にすることが必要です。
 図7に「重点活動推進の業務フロー図」を示します。推進事務局の具体的な業務内容とその管理ツールを“アウトプット”欄に示しています。
 これを基に図8の「TQM重点活動抽出表」を作成しました。方針管理や品質保証などの機能別に整理しています。現状の活動に対して今後の課題と方策・手段を示していますが,特に“効果を表す指標”欄が重要で,TQM推進の効果の具体的な指標になります。
 ISOでもやっと“パフォーマンス評価”で要求するようになりました。

 
 
 

図4 TQM推進の業務フロー図

 

図5 TQM導入のねらい


図6 TQM推進強化計画表



図7 重点活動推進の業務フロー図



図8 TQM推進重点活動抽出表

次回は,TQM推進における事務局・スタッフの“実践編”の経験談をお送りします。

出典:『品質経営システム構築の実践集』細谷,西野,新倉共著;日科技連出版社

関連セミナー
 
戻る
Profile

      西野武彦 氏

1946年生まれ
1964年前田建設工業株式会社入社/以来,建築施工,TQM推進に従事
1989年同社デミング賞受賞
以降,グループ共全四社のデミング賞受賞,そのTQM推進事務局に従事, JSQC第1回品質管理推進功労賞受賞
現在,日本品質奨励賞審査員,ISO審査員(QMSエキスパート審査員),
品質管理学会員,TQM・ISO研修コース講師,一級建築士
著書:『品質経営システム構築の実践集』(日経品質管理文献賞受賞)
『超簡単!ISO 9001の構築』,
『ISO 9001プラス・アルファでパフォーマンス(業績)を向上する』
『ExcelでQC七つ道具・新QC七つ道具作図システム』
『Excelで統計解析システム検定・推定編/実験計画法編』ほか
何れも細谷克也共著,日科技連出版社

関連記事
 
〈お問い合わせ先〉一般財団法人 日本科学技術連盟 品質経営研修センター 研修運営グループ
〒166-0003 東京都杉並区高円寺南1-2-1 / TEL:03-5378-1213
Copyright © 2021 Union of Japanese Scientists and Engineers. All rights Reserved.