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SQC(統計とビッグデータ)
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「分散分析(ANOVA:アノーバ)とは?」<2016年04月19日>

  分散分析は、実験計画法の根幹をなすデータ分析法です。
 例えば、強度を向上させるため、温度条件を振って、各条件で何回か実験を行って強度データを得たとします(一元配置法)。強度を最も向上させるには、各条件内の強度データの平均値が最も高い条件に温度をセットすればよさそうですが、本当にそれでよい結果が得られるでしょうか?データには実験誤差があり、各条件におけるデータの平均値が一見異なっていても、実験誤差の影響でたまたま大きくなっただけかもしれません。平均値の最も高い条件に温度をセットしても、それ以外にセットしても、それほど強度は変わらず、コストだけがかかってしまったという状況にもなりかねません。価値のある変更を行うためには、各条件におけるデータの平均値が異なっていたとき、この違いが実験誤差によるものかのか、それとも実験誤差を超えて温度の違いを反映したものであるのかを判定する必要があります。この判定を行うための解析法が分散分析です。
 実験計画法には一元配置法、二元配置法、直交配列表実験などがありますが、いずれも要因を取り上げて水準を振り、実験データを採取するというものです。その実験データから各要因固有の効果(主効果)、要因間の交互作用、実験誤差を抽出し,それらを統計的に比較して,主効果と交互作用が本当に存在すると考えてよいかどうかを判定します。
 分散分析を理解することで、実験計画法をより深く理解できるようになりませんか。

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Profile

      安井 清一
    (やすい せいいち)

2006年東京理科大学理工学研究科経営工学専攻博士後期課程修了、博士(工学)取得後、
東京理科大学理工学部経営工学科助手を経て、現在、助教。
主な専門分野は、統計的品質管理。

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