
「分散分析適用上の注意点」<2016年05月17日>

実験計画法によって計画された実験によって得られたデータから、要因の主効果や交互作用、
実験誤差を抽出し、それらを比較して、主効果と交互作用が本当に存在すると考えてよいか
どうかを統計学に基づいて判定する方法が分散分析です。
そのために、実際は実験データから平方和、自由度、平均平方、分散比の順にそれらの数値
を求め、分散比に対して統計学を適用して分析します。計算方法はそれほど難しくないので
すが、手間がかかりますのでエクセルや統計解析ソフトウェア(Statworksなど)を用いる
のが実務では一般的です。
ここで問題なのが、テキストやソフトウェアによって平方和や平均平方などの呼び名が異な
るということです。
例えば、平方和ですが、エクセルの分析ツールでは“変動”、Statworksでは“平方和”と呼ん
でいます。字面で覚えるのではなく、しっかりと意味を理解し、ヘルプ等から正しい判断が
できるようになることが大切です。
分散分析は統計学に基づく実験データの解析法ですので、分散分析の結果、有益な情報が得
られるかどうかは実験条件や実験の実施法にかかってきます。
実験条件、実施上の注意点として、
・交互作用があると予想される因子は個別に実験を行わない
・主効果や交互作用が有意になるかどうかは要因の水準数や水準の幅に依存する
・反復(因子の同一の水準組合せの実験を複数回行う)
・無作為化(実験の順序はランダムに)
・局所管理(実験環境が均一と考えられるブロックを導入すること)
などがあります。
反復、無作為化、局所管理はFisherの3原則と呼ばれています。
分散分析・実験計画法のポイントはまだまだあります。
ぜひセミナーなどを利用し、分散分析・実験計画法を皆様の実務に役立ててください。

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安井 清一
(やすい せいいち)
2006年東京理科大学理工学研究科経営工学専攻博士後期課程修了、博士(工学)取得後、
東京理科大学理工学部経営工学科助手を経て、現在、助教。
主な専門分野は、統計的品質管理。

