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SQC(統計とビッグデータ)
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「ヒストグラム -計量値データを用いた問題解決手法-」<2016年07月13日>

連続的な値をとるデータ(計量値データ)がたくさんあるときには、QC七つ道具の一つである、ヒストグラムを活用すると良い。
 
ヒストグラムは、計量値特性の度数分布のグラフ表示の一つである。測定値の存在する範囲をいくつかの区間に分け、各区間を底辺として、その区間に属する測定値の度数に比例する面積をもつ長方形を並べた図である。作成することで次のことが分かる。
 

(1)分布の形
  
 データの分布が、正規分布形、歯抜け形、右歪み形、左絶壁形、高原形、二山形、
   離れ小島形のいずれに該当するかにより、とるべきアクションが異なる。

(2)分布の中心位置
(3)分布のばらつきの大きさ
(4)規格値あるいは目標値との比較
  
 正規分布形のヒストグラムの場合、ヒストグラムの小さいほうの端から大きいほうの
   端までの幅は、そのヒストグラムのデータから求めた標準偏差sの約6倍になる。
   この値を目安に規格値あるいは目標値と比較すると、中心位置、ばらつきの大きさが
   判断できる。

(5)飛び離れたデータの有無
(6)層別して比較し、改善の手がかりとする

 

アクションをとる対象である母集団について、サンプルをとりデータをもとにヒストグラムを作成することで、母集団の姿の事実を語らしめる。また、いくつかの層別する項目(人、機械・装置、原材料等)でそれぞれのヒストグラムを作成し(区間、横軸の目盛、縦軸のスケールをそろえる)、縦に並べると改善の手がかりが得られる。
 
ヒストグラムは、問題解決に役立つ手法の一つとして、QCサークル誌でも多数の「体験事例」が紹介されている。続いて、ヒストグラム活用の注意点とポイントを述べたい。注意点とポイントは、ヒストグラムを作成した分布の特徴によりそれぞれ考えられる。
 


<特徴的な分布と注意点・ポイント>


(1)絶壁形:本来とりあげるべきデータを全てとり、全体の分布を判断することが
   大切である。
   ポイントは、データ選別(意図的なデータの取り方)の可能性が高いことである。
   計量値のデータは、一般的に正規分布形となるが、そうなっていない。

(2)二山形、離れ小島形:層別を考える。層別するための履歴が大切である。
   層別すべきデータがとられていない場合には、履歴を追加する。とるべき履歴の追加で、
   新たな事実が明確となり、大きな改善へつながる。
   ポイントとして、平均値の異なる分布が混ざっている。層別を考えるが、層別する際の
   要因としては、人、機械・装置、原材料等がある。データをとるもととなる履歴が
   明らかになっている事が大切である。

(3)歯抜け形、離れ小島形:級分け、測定方法、丸め方を見直す。
   ポイントとして、測定データをしっかり把握する。枝分れ実験を行い、測定誤差、
   サンプリング誤差、ロット間誤差(測定誤差<サンプリング誤差<ロット間誤差でないと
   少なくともデータに意味がない)を把握し、取扱うデータの信頼性を確認する。
   級分けは、測定単位の意味を理解し、ヒストグラムの作成手順をしっかり守り、
   正しい級分けを行う。

 

作成した分布をみて、どの様なアクションをとるべきか正しく判断する事が大切である。

 

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Profile

     五影 博之 氏
   (いつかげ ひろゆき)
1956年石川県に生まれる、1980年大阪工業大学大学院工学研究科修士課程経営工学専攻修了
同年 東海興業株式会社入社、本社TQC推進部・事業計画部・秘書室・営業統括部本店建築営業統括部 ・産業施設オフィス営業部 ・建築営業第3部 ・本店リニューアル事業部部長
2013年日本アドックス株式会社入社 現在同社取締役、一般社団法人日本品質管理学会会員・代議員(2007年~2013年)

[主な著書]
『品質管理検定試験QC検定3級受験対策演習問題・解説集【第3版】』(共著,日科技連出版社,2016年)
『Q&Aで学ぶ統計的手法のワンポイントアドバイス』(品質月間テキストNo.403品質管理委員会,2014年)
『問題解決に役立つ統計的なセンスと手法を身につけよう』(品質月間テキストNo.385,品質管理委員会,2011年)
『クオリティマネジメント誌:これで使える! 統計的手法第8・9回母集団とサンプルと
データの関係を理解し,枝分かれ実験による ロットの違いによるばらつき、サンプリング誤差, 測定誤差を把握する(その1)・(その2)』(一般財団法人日本科学技術連盟,2010年)
『クオリティマネジメント誌:これで使える! 統計的手法第10・11回ヒストグラムと 管理図を 併用して工程の状況を把握する(その1)・(その2)』 (一般財団法人日本科学技連盟,2010年)など

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