デミング賞

挑戦までの取り組み方

デミング賞を受賞できるレベルにまでTQMを全組織的に効果的に推進するために、以下のような手順で進めるとよいと言われています。

1. TQMを導入・推進するために,TQMを理解し全組織的なム―ドづくりをする

トップが講演会や講習会に出席し、また、先輩会社のトップからの生の声を聞き、TQMの理解とこれへの信念を深める。TQMで成果を生んでいる他社を訪問し、その実施状況を見てくる。管理者・スタッフ・現場の監督者を社外の品質管理の大会やQCサークル大会に出席させ、他組織の状況を学ばせ刺激を与える。上記の目的のために、TQMの専門家に依頼し、自社のQC診断をしてもらうなどの方法をとると効果的である。

2. TQMを進めるための組織づくりをし、推進計画を策定する

導入時、組織の中央にTQMの推進組織を作る。推進の度合いに応じて、工場や事業所においての組織も必要となるが、これらは全社的組織の小型版と考えてよい。この推進組織によってTQMの推進計画について検討し策定する。また、これらの下部機構としてQCサークル推進委員会、あるいは品質保証、原価管理、生産量管理など、Q・C・D・S・M・Eに関する機能別委員会などの組織づくりも徐々に整備充実する。

3. 品質管理に関する教育をする

品質について関心をもたせ、新しい品質管理の考え方・運営の方法を理解させる。統計的な考え方や手法を理解させるため、職務別・階層別に分けて組織内外で教育を進め、推進状況に応じてOJTを工夫し、組織外との交流を深め、大会などで発表するなど他流試合も行う。また、関係会社・協力企業に対しても教育範囲を広げる。

4. 具体的に挑戦する問題を掲げ、この改善を図る

新製品の開発、品質の向上、原価の低減、生産量や受注量の確保など、組織内で早急に解決・改善を要する重要問題を明確にする。目標を数字として掲げ方針として明示し、これへの挑戦のための活動を職制、あるいはチーム活動、グループ活動などによって進める。この間、新製品開発、品質保証体制、あるいは各職位の責任権限を見直し、管理項目の設定をするなど、管理体制の整備をはかる。

5. 社内におけるQC診断を実施し、やさしいものから順に社外の機関による審査を受ける

トップによるQC診断の実施は、社内におけるQCへの取り組みの気運を高めるうえにも、また管理者の育成に、さらには上から示された方針の実をあげる意味からも、きわめて大切である。企業としてだんだんと力をつけてくれば、経済産業局長賞,次いで経済産業大臣賞に挑戦するなど、次第にむずかしいものに挑戦し、企業活動の充実をはかる。

6. デミング賞に挑戦する

実際にデミング賞に挑戦する前に、デミング賞委員によるTQM診断を受診すると、デミング賞の審査の基準から見たときにどのような点が自社の強みで弱みがどういうところにあるかが分かる。デミング賞の審査は、診断結果との結びつきが強化されているので、TQMを効果的に推進する意味でも役に立つと言われている。

デミング賞への挑戦

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