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BC-News(BC講師からのメッセージ)
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61.新商品の品質を確保していく上で(2)<2023年02月02日>

パナソニック株式会社
高田 逸男( 91BC ・ O 修了)

 次に2 点目ですが、要求される品質レベルを確保できる設計であり,且つその予見した様々なばらつきを生む要素からロバストとなる設計にできているかを検証していくことがとても重要であると感じています。
 その品質目標が不明確な場合は設計方策の良し悪しが分かりません。品質が計測できないものは品質を確保できませんので、データによりしっかり事実を明らかにしていかねばなりません。

 しかし、たとえ計測できても、例えば接着剤の塗布量が少なく塗布され、温度が高い環境で放置された場合に…など、ばらつきの要素が入った場合でも要求される品質目標が達成できるかをよく検証をしなければなりません。チャンピオンデータで判断し、トラブルを発生させた事例も少ないとはいえません。

 3点目として、適切に管理され、安定した状態で如何に「継続 」して生産できる状態にできているかを確認していくことが重要と感じています。組織をまたぐため、設計側が予見できていても、製造側やサプライアに十分に伝わっていない場合も散見されます。設計の意図がしっかり伝達され、材料、部品まで至る工程管理、検査仕様まで問題のない状態になっているか、また、設計の意図も漏れている場合もあり、予見したトラブルが材料、部品まで含めおさえることができる製造仕様になっているか、確認が必要です。

 そして、良品が作られていること、ばらつきの状態・傾向等を見える化し、異常時には軽微な段階で処置を直ぐに取ることができるようにしていくことも検討していかねばなりません。これら3 点を確実に進めていくためにも、この QC ベーシックコースで学んだ手法を適切に選択・活用し、対応・判断をしていくことは極めて重要なことと思います。実務上は、検証・検討・確認すべき点は多岐に渡るため、関係者多忙の中、勘と経験に頼る事も多い状況になりがちで、推進することに難しさを感じることも多々あります。

 しかし、これらの考え方で取り組めば結果的には2度手間にならず、お客様へのご迷惑も少なくなり、より近道になることも事実ですので 、今後も少しでもレベル向上に向け、推進をしていきたいと考えています。

 話は変わりますが、最近、海外サプライアに行く機会が良くあります。まだ品質に対する意識の違い、品質を追求していくための姿勢、努力といったものに関しては日本企業とはやはり違いがあるとよく感じます。

 しかし、それも年々改善され追いつかれつつ感じることも多い状況です。海外では試験機や計測器も最新のものを導入される等、事実の見える化に多くの投資を積極的に進められています。日本企業も最新のものを導入される等、事実の見える化に多くの投資を積極的に進められています。日本企業も負けないよう、取り組みを進めていかなければなりません。

 この研修を受講した知識を是非活かして頂き、自分自身の糧だけではなく、会社の製品品質の向上、ひいては日本の付加価値向上に向けて有益なものにしていただければと感じています。

 
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