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BC-News(BC講師からのメッセージ)
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100.QC手法は魔法のコミュニケーションツール<2025年01月08日>

元・ローム株式会社
結城隆之(116BC・O)
入社以来23年間LSIの設計に携わった私は46歳で品質管理部門へ異動となり、顧客からのクレームに対応する担当となりました。入社時研修で教わったQC手法はごく基礎的で新しい業務に必要な知識に乏しかった私は、社命で品質管理ベーシックコース(以下BCと略す)を受講するに至りました。
月に1週間の受講は、多様な先生方による実務を意識した理論の講義、業種を問わず他の企業の方々と交流できた班別研究会など、事前の想定を超える有意義なものでした。ただインターバル中は、受講中に溜まったものを含む業務の消化、前月の復習を兼ねた宿題の解答作成、次月のSTの準備などで目が回るほど忙しく、初老の衰えも相まって落ちこぼれないよう必死についていったと記憶しています。
 修了後、私はBCで学んだQC手法を顧客へのクレーム回答に積極的に活用するようにしました。代品や返金で済ませることの多い一般消費者向けクレーム処理とは異なり、部品の供給先企業様向けには、原因や対策はもちろんお客様の不安解消のため波及性や信頼性(製品寿命)への影響等も報告も求められます。気合で「大丈夫です!」という代わりにデータに基づく想定されるリスクをお客様と共有するようにしたのです。その内容はお客様の期待に足らない場合もありましたが、導出の根拠を説明すると必ず納得していただけました。とある訪問で最初は不服そうだったお客様が折衝後に渋々ながら自腹でコーヒーを奢ってくださったときは、心の中でガッツポーズしながらBCの恩恵を感じた瞬間であり、QC手法はそれを知る人との間で通じる魔法のコミュニケーションツールと思えました。
そしてリタイア後の私は、日科技連での講師として細々ではありますがQCに関わっています。前述のようなダイナミックな感動を得ることはなくなったものの、受講される皆さんにも同じような感動を味わってもらいたいということが講師をする上での大きなモチベーションとなっています。
最後にSQC部会の紹介でこの投稿を締めたいと思います。SQC部会は月1回メンバーが持ち寄った業務上の問題点を一緒に考えたり、過去のQC検定の出題の検討(模範解答の作成)などを侃侃諤諤議論する自主参加の集まりです。BCで学んだQC手法も使わなければ勿体ないことに頭の中で衰退し忘却に至ります。私はエンジンを止めることなく常にアイドリング状態に保つべく、BC修了後から今日まで継続して参加しています。BCで学んだQC手法を業務で使う機会がない人に私は特にお勧めします。オンライン参加もありなので一度覗きに来られては如何でしょうか。
 

 
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