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BC-News(BC講師からのメッセージ)
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39.プロセス設計による標準化の推進の重要性について<2023年01月11日>

福丸マネジメントテクノ
福丸 典芳 (56BC・T修了)

 最近企業からプロセス改善に関するコンサルを依頼されることが多いことから、企業のプロセス設計に関する理解力が低下しているのではないかと思われる。

 例えば、シリアルプロセスからコンカレントプロセスに変更するための設計開発プロセス、サービスセンターの業務の統一化を図るためのサービス提供プロセス、二者監査のプロセスなどを改善するための方法として日常管理の基本となる標準化を図るための業務機能展開を活用すると効果を上げることができる。

 しかし、多くの組織では、製造部門中心となったプロセス設計については得意であるが、このような管理プロセスについての設計が苦手である。一般的には、すでに構築しているプロセスを一部分のみを手直し、業務のつぎはぎをしているにすぎず、抜本的な改善を行っていないのが現状である。このような状態では、日常管理を効果的で効率的に運営管理することは程遠いと思われる。

 このような状態を打破するためには、各企業が業務機能展開を活用してプロセスを効果的で効率的に設計し、かつこれを継続的に改善する仕組みを確立することがTQMの維持に役立つことを考える必要がある。

 プロセス改善を行った例を次に示すので、これを参考に標準化の推進を図って欲しいものである。

①シリアルプロセスからコンカレントプロセスに変更するための設計開発プロセス
 この例では、顧客の納期短縮依頼が多いこと、顧客要求事項が決まるのが遅くかつ納期は当初予定通りであるので、コンカレントプロセスを適用しなければならないにも関わらず、今までの設計・開発プロセスを適用していることで手順から逸脱した仕組みで行っていた。このため、業務機能展開を使用してプロセスの改善を行い、デザインレビューの方法、設計検証の方法などを改善し、効果的で効率的な運営管理を行うことができている。

②サービスセンターの業務の統一化を図るためのサービス提供プロセスの改善
 
この例では、以前からか作業の標準化を行おうとしたが、よい方法が見つからずに挫折した経験があったが、本社標準とサービスセンターとの整合をとるため再度標準化に取り組むこととして業務機能展開を活用して現在プロセス設計を行っている。現状の業務機能展開から現在の問題点を抽出してプロセスを改善したのち、リスク分析を行い、さらにプロセスを改善するという2段階で業務の標準化を推進している。

③効果的な二者監査プロセスの改善
 この例では、二者監査のプロセスが事業部間でばらついていたため、基本的事項は全社規定で策定し、事業部はこれに基づいた規定を策定することとし、各事業部の現在の規定を業務機能展開し、これをもとに共通的事項と事業部で規定する内容を整理し、全社に関する業務機能展開を行い、問題点を整理し、全社規定を策定し、運営管理している。

 
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