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《シリーズ》変革と新たな価値を創造するN7と言語データ 【第4回】(全6回)<2019年02月19日>

第4回 多角的に考える力をつけるN7、 今に問う本質的価値
                                                               N7(新QC 七つ道具)研究東京部会

*本シリーズ記事は日科技連賛助会員向け機関誌『クオリティ・クラブ』へ掲載したものです。


1.今に問うN7の本質的価値

  Society5、第4次産業革命、5G(大容量・高速)などIoT・AI(人工知能)の導入やデータの活用が本格化する時代において、価値創出や課題解決を実現するためには、様々なデータの活用に関し変わらぬことと変わることを見極め、特に言語データ関する分析・活用方法が求められると考えられます。現在、注目を集めているAI も、人間の持つ創造性や発想には及ばないというのが専門家の意見です。これからはAI がかなわない領域のアプローチや教育が重要と考えます。
 前回も述べましたが、N7は、今の時代に必要不可欠な、戦略や企画、計画の立案、リスクへの対応策検討、未然防止などに役立つ問題解決手法、課題達成手法、図形思考法であり、図を描きながら考えを進めていく手法です。N7を習得することにより、本質的価値、多くの効用を実現することができます。



2.多角的に考える力をつけるのに役立つN7

 “ 考えることは重要である” と、かなり以前から考えることの重要性が叫ばれています。ICT 化が進んできて、ますます「考える」ことの重要性が増しています。ロボットやAI が進化すると、人間に残された仕事は 「考える」ことだけになるかもしれません。
 さらに昨今は、取り上げる課題が大きく、複雑になってきています。このような課題に対応するためには、多角的に考えることが必要です。多角的に考えるには、N7を中心とした図形思考法が効果的です。
N7を中心とした図形思考法は、言語で表された事柄を言語データとし、それを用いて様々な角度から考えながら図を描き、図を描きながら考えます。これを繰り返して、作成した図から目的を果たすための知識を得る手法です。すなわち、図を作成しながら「考える」とともに「可視化」、いわゆる「見える化」ができる手法です。図形化することによって全体を鳥瞰することができるので、物事を様々な角度からとらえることができるようになります。マトリックス・データ解析法を除くN7の手法は、言語データ間の関係を図形化して考える軌跡を示す図形思考法です。
 図形思考法としてのN7の各手法は、それぞれに用途に適した図形を用い、それぞれ異なった思考の仕方をする手法ですので、N7の手法をマスターすることによって考える力が高まるとともに多角的に考える力がつきます。その中から、今回は系統図法とマトリックス図法について解説します。



3.枝分かれから発想する系統図法

 系統図における方策展開型の用途としては、「コストダウンのための方策の展開」や「新製品を開発するための方策の展開」など、様々な方策展開に用います。系統図を活用する際のポイントを以下に述べます。


(1)抜け・落ちのない手段を抽出する
  目的-手段の連鎖では、抜け・落ちなく手段を抽出することが重要です。
  最終手段は具体的に実行できるレベルまで展開します。図1の左右の系統図は、
      一次手段の方策により、手段の抽出に違いが出てくることを示した事例です。


   



(2)一次手段は納得感が得られるか
  一次手段を選びだす時の着眼点を図2に示します。一次手段は、目的を達成できると
     思われる“ 納得感”を得られるかどうかが、系統図の質を左右します。
   しっかり考えて、方策を決定することが重要です。



   



(3)混沌とした課題解決の糸口を見つけたい場合
  混沌とした課題の場合は、まず、内在している要因を列挙して、共通した要素で
  グルーピングすることが重要です。これにより、解決の糸口を見つけることが
  できます。


(4)活動プロセスの評価尺度を設定する
  最終的に抽出した各手段は、重点指向の観点から評価をして絞り込みます。
  評価尺度は、目的-手段の連鎖で手段に展開した事項の下に設定します。




4.多角的に発想するマトリックス図法

 マトリックス図法は、問題の所在を明らかにしたり、仮説を立てたりする時に用います。


(1)主な活用場面
  ●関係ある「対」となる事象から「事象の層別」をして事象の特性を見つけ、
       特性に応じた対策を講じたい場合。顧客層別-市場特性など。

  ●関係ある「対」となる事象(その交点)から課題形成したい場合。
   プロセス-改善の観点(図3)、当該年度の課題形成(昨年の実績
   -当該年度の予測)など。


   



  ●関係ある「対」となる事象の組合せから、選択肢の領域を広げたい場合。
        計画-実施事項など。

  ●複雑なシステムを一覧的に俯瞰する場合。「計画・実施・チェック・アクション」
   の関連性、品質保証システムの体系など。

  ●組織の機能・顧客との関連性・機能要件の確認等々複雑に絡み合う
   要件の関係性を一覧的に表現して、システムの全体を表現したい場合。
   「対」の事柄のそれぞれの要素を整理して要素間の関係から発想される
   新たな要素項目を導いて取り組むとよい対象(着眼点)を見つける時に、
        全体と部分が整理されているので着眼点に対する確信が持てます。


(2)アイデア発想での活用
   マトリックス図は、「対」になる事柄の関係性を整理する以外にも、様々な活用方法が
      あります。 図4は「伝達手段のムダの対象資源」を題材に、「伝達手段」「ムダの対象
      資源」を配置しています。たとえば、「TEL」と「人」との交点では、「伝達目的以外の
      話」というアイデアをムダの対象としてあげています。このように、新たなアイデアを
      発想する際のツールとしても活用できます。


   



3)問題を多角的に見える化できる
  数値データを用いて問題を定量的に表わせない時にも、マトリックス図の活用が
  おすすめです。混沌とした問題の原因を定性的に表現して、その整理された原因間
  の関係を見える化することが可能となります。
 

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