
SQC
回帰分析の活用と勉強方法<2021年07月07日>

統計手法でよく使われるものは以下の3つの手法です。
1)t検定(2つの平均値の差の検定)
2)分割表のχ2乗検定
3)回帰分析
2)分割表のχ2乗検定
3)回帰分析
3つ目の回帰分析は実験データの解析にも調査データの解析にも適用可能な方法で、非常に活用範囲の広い統計的方法です。
したがって、企業活動においても、製造部門、研究部門、開発部門、広告部門などで有効に活用できる解析方法です。
回帰分析には次に示すように大きな2つの用途があります。
<用途1>予測
<用途2>要因の探索
予測というのは、例えば、次のような場面です。
(例1)今月までの売り上げから来月の売り上げを予測したい
(例2)体重で体脂肪を予測したい
(例3)硬化剤の投入量で完成品の硬度を予測したい
一方、要因の探索というのは、次のような場面です。
(例4)体重に影響を与えているのは、食事の回数、食事の量、野菜の量、運動時間のどれなのかを探る
(例5)製品の強度がばらつくのは、熱処理時間、熱処理温度、製品寸法のどれなのかを探る
(例6)不良品が発生するのは、原材料の品質、製造工程の加工方法、完成品の保管方法のどれなのかを探る
これが要因の探索ですが、「探索」ですから、回帰分析の結果だけで真の原因を特定することはできません。しかし、実験データがない場合や、そもそも実験ができない場合、あるいは、これから実験をするときに何を因子として取り上げるかを考えるのに、重要な知見を与えてくれる手法です。
以上のように、回帰分析は応用範囲が広く、極めて有効な方法です。この回帰分析は奥の深い手法ですので、この手法を実践するには本格的な統計ソフトが必要になります。
しかし、回帰分析の基本を習得する前に、統計ソフトを活用しようとすると、何をやっているのかわからないけど、クリックしていたら答えが出てしまった、見方はよくわからない、正しい使い方かどうもわからないという、いわゆる、「ブラックボックス」の状態での使い方になってしまい、結果の誤用を引き起こすもとになります。
さりとて、回帰分析の計算は非常に煩雑なので、電卓で学習する時代ではありません。
このようなときに有効なツールがExcelです。回帰分析の基本を学ぶのにはエクセルは非常に有益なツールです。また、学習だけでなく、実践においても、Excelだけでも事が足りる場合と、統計ソフトで綿密な解析が必要な場合があり、その使い分けも知っておくことは、回帰分析を実践で活用する上で役に立ちます。
統計の基本(平均値、中央値、標準偏差、相関係数、ヒストグラム、散布図)を習得したならば、ぜひ回帰分析の習得を目指していただきたいと思います。


内田 治 氏
(うちだ おさむ)
東京情報大学 総合情報学部 准教授
東京農業大学 兼任講師
東京理科大学大学院修士課程修了
【著書】
『数量化理論と
テキストマイニング』
(日科技連出版社,2010)
『QC検定3級 品質管理の手法
30ポイント』
(日科技連出版社,2010)
『相関分析の基本と活用』
(日科技連出版社,2011)
『主成分分析の基本と活用』
(日科技連出版社,2013)他


〈お問い合わせ先〉一般財団法人 日本科学技術連盟 品質経営研修センター 研修運営グループ
〒166-0003 東京都杉並区高円寺南1-2-1 / TEL:03-5378-1213
Copyright © 2021 Union of Japanese Scientists and Engineers. All rights Reserved.