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67.SQCに出会って半世紀<2023年02月08日>

元 株式会社ブリヂストン
永野 芳昭 (33BC-T修了)
永野 芳昭 (33BC-T修了)
1.受講のいきさつ
私がベーシックコースを受講したのは50年前の1968年です。上司が部門内の会議でベーシックコース受講枠が1つある事を知り、会議室より事務所に電話し、それを受けた私にお前が行けと命令されたのが受講のいきさつです。受講の必要性が明確でないままの受講でした。
受講は千駄ヶ谷にあった日科技連の教室で、駅の周辺に体育館/陸上競技場/野球場があり、何か催しものがあれば受講後に観戦に行き楽しみました。午後から抜け出し観戦にいく元気な者もいました。当時は携帯電話などなく、一旦社外に出てしまえば会社から監視される心配のない自由な時代でした。
2.統計的手法を習って
(1)検定(計算)結果の考察を
当時は電卓もない状況であり計算に苦労した記憶が強烈に残っています。計算は「二乗 合計 平方根 乗除」の連続で、計算ミスが多く再計算の連続でした。当時は数値表が2冊あり二乗表の記載もあり、これを逆に使い平方根を求めました。乗除は計算尺を使用しました(現在の受講者は計算尺を知らない人が大多数の様です)。
現在はパソコンで計算ができ、またグラフも描いてくれますので、受講生にはぜひ結果に対する考察に時間をかけて欲しいと思います。技術面(理論的)や過去の経験などと矛盾があれば、データの採取上の問題、技術/経験の再検討などへ繋げていくことができます。
(2)データのグラフ化
現在はパソコンで数値を入力すれば計算結果はでますが「入力ミス/外れ値の有無など」により、結論は変わってきます。これらを防止する為にもデータをグラフ化することをお薦めします。グラフ化することにより計算ミスに気付き易くなり、また概略の予測も出来ると思います。
(3)実際の職場での活用
実際に活用するとテキスト通りに行なえないケースが生ずると思います。この時に色々考えることで、手法などへ理解がさらに深まると思います。私も抜取り検査を計画した際、JISの抜取り表のサンプル数では工数的に無理となりました。サンプル数と判定値の組み合わせを何種か作り、それぞれにOC曲線を作成し適当な抜取り方式を決めることができ、結果としてOC曲線の必要性や意味などの理解が深まりました。
(4)教える立場の経験も
私が受講した当時のカリキュラムには「統計理論」がありました。大学の数学の教授による講義で、数式の展開など全く理解出来ませんでした。数学者が証明し実際の場面で問題が生じていないので、その通りにすれば良いとしていました。
教える立場になると、事前準備や質問への回答が必要になってきます。数式の意味するところをより深く理解する必要が生じ、ベーシックコースのテキスト以外の参考書も読む機会が増え、色々な説明や解説方法に出会い、知識や能力の向上につながって行くと思います。
3.班別研究会では擬似体験を
班別研究会では色々な会社の人(問題の内容、職種も異なっています)が一緒に学んでいます。各受講者の経験/技術的見解からの意見・アドバイスが出ますので、これを今後の仕事に活かして下さい。過去には、設備関係の人のアドバイスで、研究開発の問題が解決するキッカケになった事例もあります。グラフを見て、モーターの回転に何かあると指摘するなどは、化学を専攻している人には気付きにくい例だと思います。部署(業務)はいつ代わるか分りませんので、色々な考え方を擬似体験ができるチャンスです。講義でも何人かの講師から話があったと思います。色々な考え方を知ることが、仕事に役立つはずです
4.最後に
私が品質管理に出会った当時、ある先生に技術者の要件として次の様な事を言われました。
固有技術の確立
管理技術(統計手法)の取得
コンピューターの活用
現在はパソコンが使用できる時代になり、コンピューターの問題は一段落した様です。固有技術がなければ物は作れません。実際には故障/不良が発生しており、固有技術で押さえられていない所があると考えられます。固有技術でカバーできていない所は管理技術を活用し、固有技術の向上へ繋げて下さい。


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