1.「活発な問題解決活動の展開を!-グローバル競争時代を勝ち抜くために-」<2016年09月28日>
品質管理総合研究所 所長 細谷 克也
1. 日本のモノづくりの強さはどこにあるのか
長い経済停滞を乗り越え,日本企業は新たな成長段階に突入しようとしています。だが,一方で安易な成長路線を許さない厳しい現状もあります。日本の製造業の強さはどこにあるのでしょうか。
それは,
トップがグローバル市場をにらみながら,現場や現実を直視し,戦略,方針を明示する
そのトップ方針を部課長が具体的に展開する
この上司方針を的確に把握し,各職場で解決しなければならない問題・課題をテーマに設定し,問題解決活動を展開し,次々と問題を解決していくところに日本的経営の強みがあります。
事実,元気のよい企業においては,これが効果的に展開されています。
2. ベーシックコースの役割は何か
ベーシックコースのねらいは,「品質」という視点から経営管理を見つめ,経営課題を達成し重要問題が解決できる本格的な技術者・スタッフの養成にあります。競争力の中核となる技術を高め,技術を活用し,魅力商品を創出するための考え方と方法論,そして手法を教育するものです。
品質管理セミナー・ベーシックコースでは,
1)経営上の重要問題・課題を達成できるスタッフを養成する
2)問題解決能力に優れたスタッフを養成する
3)TQM(総合的品質管理)活動のエキスパートを養成する
ことにあります。
ベーシックコースを修了した技術者・スタッフは,さらにそれぞれの分野における専門を深め,マネジメントについての能力開発をすることによって,固有の技術分野における見識の高い専門技術者として,経営管理におけるバランスの取れた魅力的なスタッフや管理者としてご活躍いただいています。当コースの運営委員会では,今後とも,ベーシックコースの改革を図り,より企業に役立つセミナーにするため努力して行く所存です。
3. 期待されるベーシックコース修了生の活躍
国際競争力を高め,グローバルな市場を勝ち抜くために厳しい経営環境の中で,技術者・スタッフの重要性が増しています。
高い競争力を維持していくためには,経営上の重要問題を次々と鮮やかに解決していく技術者・スタッフが要望されています。
企業競争力が,職場スタッフの問題把握と問題解決能力に左右されるといっても過言ではありません。
しかし,問題解決活動が,すべての企業でうまく行われているかどうかについては,いささか疑問です。
今後の日本企業の成長は,得意技術をテコに,成長市場に事業の照準を合わせ,グローバル展開できるかどうかにかかっています。
ベーシックコース修了生に課せられている期待は大きいのです。
ぜひ,開発,設計,生産技術,製造,購買,販売,サービスといった全部門において,問題解決活動を活発に展開してください。
そして,ベーシックコースの修了生は,品質と生産性を高め,コストダウンを実現し,多品種・変量生産を達成していくための中核として活躍していただくことを期待しています