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BC-News(BC講師からのメッセージ)
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29.「品質管理とベーシックコース」<2016年09月29日>

東京情報大学 総合情報学部 准教授 内田 治 (61BC・T修了) 
 
 
私は大学院修士課程在籍時に、品質管理ベーシックコース(以下BCと略)の書記として参加したことが、BCとの出会いです。修士論文の指導教官がBCの講師をしていた関係で、書記としてお手伝いしなさいということになりました。当時は、そのような会話が極めて自然であったわけですが、最近は、そのようなこと(BCの書記として手伝いをしてきなさい)を言おうものなら、下手をすると教員の院生に対するパワハラとなってしまいます。せいぜい、参加したければ推薦してあげるよと言うのが限度でしょう。師弟間の厳しさや礼儀も私の学生時代と大きく変わってしまった感があります。このようなことが、最近、新しい若手の講師に手伝ってもらえない一つの要因になっているのかもしれません。   
 
さて、BCには自分の先輩が既に参加していたので、それなりの事前情報があり、参加にあたり不安というものは特にありませんでした。内容的にも大学で勉強したことが多く、理解ができないとか、試験ができないとかという思い出はありません。わりと簡単に終了できたという記憶があります。それは専門が完全に一致していたからであり、私の頭脳が優れていたというわけではありません。辛い記憶がない一方で、一緒に書記をした当時の院生たちとの交流は、自分の不勉強を多いに感じさせられ、私のその後の勉強姿勢に大きな影響を与えました。 
 
BCを終了したあとは、班別講師として採用していただき、その後、ST問題作成委員、宿題問題委員を経験した後、講義を担当させていただくようになりました。講義準備をする過程で、自分が受講したときには十分に理解できていると自負し ていたことが、実はたいして理解できていなかったことに気づき、講義をするというのは、受講するということ以上に勉強になるということを痛感したしだいです。それは経験を重ねた今でも感じていることですので、講義をさせてもらうということは、自分自身の勉強の場を与えてもらうことであり、日科技連の事務局のかたには多いに感謝申し上げなくてはいけないと思っています。ただ、経験を積むに重ね、この講義はやってもいい、この講義はやりたくないという我が儘も出てきていることは事実で、この点は多いに反省している次第です。 
 
さて、統計学を教えている立場での私見を述べたいと思います。いろいろな手法を使いこなし、統計解析を実践できることは素晴らしいことですが、本来の目的を見失っているような感じもしております。標準偏差の計算をできる人が、工場で品質のばらつき低減に寄与しているかということです。統計解析はしょせん手段にすぎません。問題解決に役立つとは思えない統計手法の使い方は、教えかたを工夫する必要があるのではないかと思います。  

 
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