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BC-News(BC講師からのメッセージ)
BC

80.BCに打ち込むきっかけとなった統計量の算出<2023年02月21日>

株式会社チノー
石橋政三(106BC・T卒)
 
[例3.4.2]電車を使った場合の通勤時間はN(60,52)、自動車を使った場合の通勤時間はN(45,152)であるとする(単位は分).始業の65分前に家を出ると、各交通手段での遅刻の確率はそれぞれいくらになるか、遅刻の確率を1%以下にするには、それぞれ何分前に出ればよいか

これはBCテキスト第3章「統計的方法の基礎」に記載されている例題です。私は大厄の年(笑)に会社からの指示で、106BCに参加させて頂きました。1月目の「統計的方法の基礎」までは、「会社からの指示だから修了さえすれば良いか…」程度の軽い気持ちで受講していました。恥ずかしながらこの歳まで統計を使う場面がほとんどなく、というよりも全然知らなかったというのが実情でした。本講義は安藤之裕先生がご担当だったかと記憶しておりますが、平均値と標準偏差を使って確率を求めて解いていくということに驚嘆したことを思い出します。そして、1月目の最終日は「検定と推定」の講義でしたが、統計量を使って有意判定を行うこと、平均値の信頼区間が求まること…講義を通じて、この統計量を使いこなすことができれば、自分の開発業務の問題解決に繋がるかもしれないと思い、先の「統計的方法の基礎」と併せ、BCに打ち込むきっかけとなりました。さらに鼓舞したのが1月目の宿題でしたが、松田啓寿先生作成の「統計的方法の基礎」の問題でした。これは残業代を求める問題でしたが、解くのが手強かったことを覚えております。

2月目以降も、統計量を使用して統計手法(分散分析、回帰分析、実験計画法など)を解いていくことを理解できたおかげで、モチベーションを下げずに、BCに打ち込んでこれたのかと思います。講義の合間に、講義室に駆け込んで担当の講師に「内容を深めていくのに、お勧めの参考書があれば教えてください」とお尋ねし、当時、事務局担当だった中西様に、参考書を発注したことを昨日のことのように思い出します。BCの開催期間中、購入した参考書は、約10冊以上はあったかと思います。BC修了後は、班別研究会の事例発表がきっかけで、班別研究会の講師としてお手伝いさせて頂く機会を得ました。何回か研究会で指導させて頂いた後、事務局からの推薦もあり、宿題の講師としてもお手伝いさせて頂く機会をも得ました。宿題作成においては、講師の先生方から、受講生にただ問題を解かせるのではなく、問題のシチュエーションから受講生の問題解決に繋げること、その大切さをご指導頂きました。

また、宿題演習においても、受講生からの質問に回答する場面では、自分では手法を理解していたつもりでも、いざ受講生に解説しようとすると上手く説明できず、ただただ自分の理解のなさを痛感しました。しかしながら、他の講師のご指導を頂きながら宿題作成と宿題演習を繰返すことで、統計手法に対する理解を微弱ながらも伸ばせていけたのではないかと思います。
BCは卒業してからが本当の勉強と改めて思います。今後も初心を忘れることなく、BCで習ったことの理解を深めていき、問題解決や課題達成に貢献できたらと思っております。

 
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