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BC-News(BC講師からのメッセージ)
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75.学びの場として、若手社員にBC受講を推奨しよう!<2023年02月16日>

古河電気工業株式会社
柏原一久(75BC・T修了)

【BC受講のきっかけ】
 大学の卒業研究のとき、熱硬化性プラスチックを母材とする複合材料に関する研究を与えられました。研究室では、それまで金属材料を扱っていたため、熱硬化性プラスチック(以後、樹脂)および複合材料に関する文献調査や選定した材料の基本特性の確認、そして、大きさが一辺数mの直方体の成型装置を用いて安定した実験ができる状態にすることから進めることになりました。
材料の基本特性の実物での検討から、どのようなデータを用いて推論し、論理的な判断結果とすれば良いのかと悩みながら研究を進めていました。
 具体的には、樹脂が流動性を失い、固体状のゲル化という状態になるまでの過程には、その温度が影響すると言われています。この工程で用いる多数のアルコール温度計について、予め実験的に「温度計毎の温度の差」を求めた場合、その結果を個体差として良いか否かを、どのように論理的に説明すれば良いかというような悩みでした。この悩みを解決するための基準、言い換えると、自信を持って判断できる基準を与えてくれたのが、統計的品質管理の考え方でした。
 統計的品質管理手法は、研究の合間を見つけては、勉強しました。当時読んだ本は「ぼろぼろ」になってしまいましたが、懐かしい思い出となっています。

 このような経験から就職後、独学ではなく、しっかりと勉強したいとの思いがありBCへの受講を上司にお願いしました。運よく入社4年目に受講させて頂くことができました。

【統計的品質管理で、若手メンバーの力量向上】
 BC受講は、すでに30年近く前のことですが、受講後の仕事に役立ちました。問題解決では、しつこく現場を見て、データを取り、分析、実験につなげることは変わりませんが、さまざまな手法を学ぶことで、活用できる場面が多くなりました。箱ひげ図等により、データの見方も変わりました。
また、実験計画法では、取引業者の工程を含む実験計画法の活用や社外セミナー講師として手法を広げる仕事も行うようになりました。
 さて、多くの若手社員は、その所属する環境により、仕事上での不安からくる、さまざまな悩みを抱えながら業務に励んでいるのではないかと思います。
 統計的品質管理は幅広い業務で活用できることから、これらの悩みに対しても応えることができるものと思います。「OJTにて拾い上げた若手社員の悩み」を解消するために、BC卒業生を中心とする先輩方が、統計的品質管理の有用性を伝えることは、若手社員の成長への良い動機付けになるものと思います。

【時代の流れに沿った品質管理を提供するBC受講を若手社員に勧めよう】
「BCで教えている品質管理」は時代の流れに沿って内容を進化させ、さらに、受講生に分かり易くするための組織だった活動も進めています。
私は、その組織の一つであるBC幹事会に参加させて頂いています。
BC幹事会では、受講者のアンケートやSTの点数等をベースにした分析や講義を分かりやすくするための工夫について永田靖幹事長(早稲田大学創造理工学部経営システム工学科教授)を中心として議論しています。近年、シラバスの作成やJIS改定に伴うテキストの改定等も検討されました。
 このように、世の中の変化に応じて内容を変えていこうとしていることも肌で感じとれます。
 BC自体は常に進化しており、現在も若手社員の悩みを解消するための学びの場として最適ではないかと思います。

 BC卒業生の皆さんが学びの場として若手社員にBCを推奨、そして、若手社員の力量を向上して頂くことで、皆さんの力、さらには、企業の力を向上させていきましょう! 

 
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