BC
74.BCに育ててもらいました<2023年02月15日>
公立諏訪東京理科大学 教授
奥原正夫(59BC・T 修了)
奥原正夫(59BC・T 修了)
59BCの書記を努めたのがQCとの関わりです。 大学院に進学し、統計学を専らと考えていた折に、指導教員であった米沢慎吾先生から「統計学ではご飯は食べられないから、品質管理をやりなさい」、「特に統計的品質管理を実践的に学ぶのであれば、日科技連のBCが有効なので日科技連にお世話になりなさい」との勧めでBCを受講することとなりました。
日科技連などという名はとにかく日科技連の本は高いなぐらいの印象しかなかったのですが、朝香鉄一先生と押村征二郎先生の勧めもあり、参加することになりました。
書記の仕事はいろいろとありましたが、講義講師の講義録の作成が統計的品質管理とその教え方について一番の勉強となりました。
丁寧な先生からは(多くの先生ですが)、講義録に赤を入れていただき、自分の理解の不足を教えていただきました。
後日、BCで講義する立場になったときに、日科技連に保管されていた過去の講義録をもとに勉強し、準備して講義に臨みました。奥原の講義の最初の内は、諸先輩の受け売りばかりだったと思います。テキストに書かれていないけれども受講生の理解を助けるために大切な話とか、その大切な話を記録しようとする書記さんの努力によってできている講義録は大変に含蓄に富み、日科技連あるいはBCにとっては大きな財産と思います。果たして過去の議事録の保管の程度はどうなのでしょうか。
書記でつらかったのがSTの採点結果のヒストグラムの作成と統計量の計算でした。まだパソコンがなく、電卓に頼っての手書きヒストグラムの作成でした。59BC修了後に、余計なおせっかいだったのかもしれませんが、当時、日科技連が奮発して購入したPC9801上で、採点結果のヒストグラムと統計量を計算し出力するプログラムをBASICで作成し、重宝がられました。
このプログラムは最終的には、毎月のSTの点と宿題の評価とを受講生別に記録できる機能をくっつけて、とにかく手仕事では忙しかった最終月のBC賞選抜作業の半自動化するプログラムにまで発展しました。
また、当時のQCゲームは実験データの発生と分散分析にタンディ・ラジオシャックのデスクトップパソコンとコモドールPETを使っていました。一グループに1台ずつの使用だったのですが、どちらのコンピュータもやたら重く、ゲームの準備と後片付けは受講生や書記にとって大変な作業でした。
これまた余計なおせっかいだったのかもしれませんが、NECから軽量小型のハンドヘルドコンピュータPC8201が発売され、日科技連を口説いて、QCゲームを8201で実施できるように、QCゲーム用のプログラムをこれまたBASICで作成しました。
現在はBC東京コースの演習委員会の委員長をやっています。
演習問題は、1BCごとに月3問×5ケ月分の15問を作成します。
作成に当たっては、東京コースの演習委員約30名で手分けして作成し、各委員が作成した問題を一日集まって演習問題検討会で検討します。
その後、検討結果をもとに修正し、確認担当委員のチェック後に完成し、出題されます。
この一連の仕事はとても多くの労力を必要とし、間違いがなくて当たり前という大変な仕事です。このような労力をかけて毎回新たな問題を作るのではなく、過去の問題の再利用を勧める先生もいらっしゃるのですが、やはり作ることに意味があります。問題の作成と演習問題検討会の参加によって、問題作成の考え方と作成技術が身に付き、これらが今後につながっていくのだと思っております。
BCもやはりBCを続けるための“ひとづくり”が重要と思っております。
〈お問い合わせ先〉一般財団法人 日本科学技術連盟 品質経営研修センター 研修運営グループ
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