BC
71.品質統計を知らないとだまされるかも……。<2023年02月12日>
株式会社前川製作所
中西 達也(91BC・O修了)
中西 達也(91BC・O修了)
ダメな受講生だった私
私のBC受講は、学生時代に書記として参加させていただいたものでした。当時の私は理系の学部に所属していましたが、品質統計とは直接関係のない(今でこそ、データ解析はどんな場面でも必要とされるので、関係ないことはないと分かるのですが・・・)学部と認識しており、やる気も???で、事務局にとって望ましい書記とは正反対の書記でした。ただ、データ解析の理論にBCでなんとなく触れていたことは、その後いろいろと役に立つことがありました。
「解析費用」を提示された経験
その中でも、大きな経験となったのが、社会に出てすぐくらいに、ある商品の開発を担当することになったときのものでした。開発にあたり、ある会社に実験の協力をお願いしたのですが、その中で先方から「実験結果の解析費用」を提示されたことがありました。あまり細かくは書けませんが、その金額と、さらに何となくその手法の使い方も自分の中で腑に落ちず、「私が分析担当するので、その費用はいりません」と言ってしまいました。そこから「こりゃいかん」となってBCのテキストを引っ張り出してきて改めて内容を理解しようとしてみると、「手法の考え方」が意外と面白いものだなあと思ったことが自分の中で大きな転換点になりました。ただ、今その時のことを考えると、大した知識もないのに、よくあんな啖呵を切ったものだと恥ずかしくなりますけど・・・。
統計手法はだれでも使えるツール
その後いろいろなご縁があって、現在BCの講義や、宿題の作成に携わるようになりました。ただ、今でも正直、統計手法における細かい数式をすべて覚えているわけではありません。それらはテキストを見直すか、PCを使えば計算してくれます。それより、それぞれの手法の「考え方」や、「何ができて、それはどういうことを言っているのか」というところさえ覚えておけば、問題にあたった時「あれ使ってみよう」となります。
また、「こういうことが言いたいから、こういう論法と手法で行こう」とストーリーを描けるようになります。もしくは、他者から提示された統計手法と結果を見ても、「その判断がどういう考え方にもとづいているのか」、さらに、「それがどの程度正しいといえるか」に対して、自分の意見が持てるようになります。ひょっとすると、難しそうな名前の統計手法を使って、相手に騙されている可能性だってあります。それらを見抜く必要もあります。
それらを考えると、私は、統計手法はあくまでツールであり、それを問題解決や、相手との交渉の場面などでどのように生かしていくか?が大切ですし、それが醍醐味でもあると思います。
最後にお願い
もともとダメな受講生だった私が、こんな偉そうなことを言えるようになったのも、無理やりにでも手法を使ってみようと思ったこと、また、それを教える立場になったため、継続して手法に触れていることが大きいです。私は今40代ですが、若い講師の方の数が不足していると思います。 ぜひSQC部会などに参加していただいて、継続してQC手法に触れていただき、講師になるチャンスがあれば、失敗を恐れず(私もいっぱいしてます)チャレンジしていただければと思います。
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