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BC-News(BC講師からのメッセージ)
BC

70.全てはBCとの出会いから<2023年02月11日>

住友ベークライト株式会社
池永 雅範(114BC・O修了)

■BCとの出会いとBC受講
 大学時の専攻は品質管理とは無縁でしたが、会社の先輩の多くが品質管理ベーシックコース(以下、BC)修了生であったため、BCというハードな講習があることを入社早々に知りました。その後、入社10年以上も経ってBCを受講できる機会を得ましたが、最初はBCを甘く見ており、講義の予習などは当然せず、宿題、テスト勉強もそこそこにという状態でした。
 当然STの点数も芳しくなかったため、受講中に年が変わるのを機に心を入れ替えることにしました。最終月は、班別研究の全体発表の資料作成、宿題、テスト勉強で追い込まれ、非常に苦しい思いをしました。

■SQC部会
 BCの最終月に、原則、毎月第一金曜日の夜に大阪梅田の日科技連大阪事務所でSQC部会というBC修了生が学べる勉強会が開催されていることを知りました。BC受講時はそれほど真面目な受講生ではなかったため、反省の気持ちと、せっかく学んだ知識が錆付かないようにと、仕事の帰りに立ち寄れることもあり、軽い気持ちで参加する事にしました。

 SQC部会では、参加者が各自の会社で検討した事例の紹介や相談、QC検定1級の解答作成などに取り組んでいます。会社を行き来するだけの生活では人間関係が狭くなってしまいがちですが、利害関係なしに他社の方や講師の先生方と議論できるのは貴重な経験です。また、部会後は、参加自由ですが、毎回“懇親会”があることも特長です。地理的な制約で、参加したくても参加できない方もおられるかと思いますが、参加可能な方は是非一度部会の扉を叩いてみては如何でしょうか。
 私自身、毎月SQC部会の開始に間に合うよう会社を出ようとするのですが、毎回様々な理由で遅れ、時には(いつも?)懇親会からの参加ということもありましたが、そのような不届き者でも温かく迎えて頂けるアットホームな雰囲気も、今なお参加し続けている要因の一つだと思います。

■BC講師としての活動
 SQC部会参加をきっかけに、BC講師のお話を頂き、分不相応とは思いながらも引き受けさせて頂き、その名に恥じぬよう現在も日々精進中です。

 担当しているSTの問題作成では、過去実績のある良問は少しずつ形を変えながらも残しつつ、できるだけ新問も多く作成できるよう取り組んでいます。新問は、決して重箱の隅をつつくような問題ではなく、受講生のタメになるものをと取り組むのですが、整合性の取れた新問を作成する事は意外に難しく、作成しては修正の連続です。

 そうやって作成された問題は、委員が集まる分科会で更に検討され、必死に考えた新問がボツにされる悲哀も味わいながら、検討を重ねた問題が最終的に出題されます。作成した新問がうまく受講生の盲点を突けた時は、苦労が報われた気分になり、また新たな新問作成へのモチベーションにつながるのです。

■BC修了生の皆さんへ
 BC修了後、せっかく習得した内容を活用せずに、ペーパードライバーならぬ、ペーパー修了生になっている方はいないでしょうか?BCで習得した内容は、実際に活用していくことで、その度につまずいてはテキストを読み返すことになり、理解が深まっていきます。しかしその一方で、テキストだけでは理解できないことも多くあることが分かってくるため、更なる応用へとつながっていきます。修了生の皆さんの中には「この内容でベーシック?」と思われた方も多かったかもしれませんが、確かにベーシックだったと思えた時が、本当のスタートラインだと思います。月並みですが、継続は力なりです。

 また最近、厚労省の不正統計疑惑が世間を賑わせましたが、BCを通じて培った、データを正しく見る目(悪く言えば、データを疑う目)は、情報化社会の中で生きていく上で重要性が増していると思いますので、仕事だけでなく、今後の人生の中でも役立てて欲しいと思います。

 最後に、品質管理は私にとって未知な世界でしたが、日科技連を通じて会社業務だけでは得られない貴重な経験をさせて頂いています。BCに出会い、SQC部会に参加してから、今ではおこがましくも指導する側にいますが、一歩間違えば、私もペーパー修了生になっていた可能性もありました。人生紙一重です。現状に満足せず、何事にも新しいことにチャレンジする姿勢は、常に持って欲しいと思います。

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。 

 
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